第25話

何を言っても引っ張る手を離してはくれなくて、結局そのまま上靴で外に出る羽目になった。



「ちょ―――っと、くつ~~~!!!」


「いいって、そのままで」


「いやぁ~~」



そのまま自転車に座らせられて連れ去られる私。



窓から身を乗り出して面白がっている彼の友達たちに冷やかされている。




記念すべき初の”サボり”は、白昼堂々たる中、河内谷君の友達たちからの冷やかしを受ける形となった。




「マックでいい?」


「上靴のままっていうのがどこか気持ち悪いんだけど」


「ああ、大丈夫だよ、すぐ慣れるから」



慣れないけど?


なんだか悪いことしてるみたいで落ち着かない。



「なあにソワソワしてんの?大丈夫だって」


爽やかに笑って二人分のトレーをもっていく彼の後をついていった。



「あいつの事、好きなの?」



席に着きなり、-ハンバーガーにガブつきながらそんなことを言ってくる。


なんか・・・野獣みたいに豪快だな・・・。


カッコいいし爽やかなんだけど、どこか残念な感じがしてしまう。


あっという間に彼にしては小さなハンバーガーが1個無くなってしまった。



「どうなの?」


「あ、何が?」


「だから、冴島のこと好きなんでしょ?」


「べ、べ、べ、別に」


ヤバい、どもり過ぎた。


河内谷君、吹き出してるし。


口に何も入ってない時で良かった。



「どうなのそれ、素直すぎるんだけど」



冴島の前では一生懸命に隠せるけど、この人にはなんか無理だな。



透き通った瞳に問いかけられると、普通に返せない。

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