第24話

「サク。河内谷朔かわちだにさくっていうの」


「河内谷くんか」


「うん、そっち長いからサクでいいよ。ねえ、これからどっかいかない?」



罰ゲームは終わったんじゃないの?


グイグイ来るね…。


「・・・いかないよ」


今日も何となく、冴島が来るような気がする。



最近彼女とのことで相談してくることもあったから。



「どうして?」


「ちょっとね、相談受けてて」


「・・・それ、冴島でしょ?」


「そうだけど?」


「会う約束してるの?」


「別にしてない」



いつも気まぐれに連絡よこすから普段から約束とかしたことない



「なにそれ。洗脳されてんじゃん」


「洗脳?————んな大げさな」


「気がついてないの?ヤバくない?それ」


ㇺっ、なによ。

なんか馬鹿にされてる気分…。



私の表情が面白いのか、口元を緩ませて笑うスポーツ少年。



「行こう」


言葉と同時に手を取り、玄関に向かっていく。



「ちょっ!どこ行くの!」


「着くまで内緒」


「やーちょっと、困るって。スマホもないし、財布もカバンの中だし」


「そんなのなくてもいいじゃん。昼奢るからさー」

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