第22話
何となく価値観が合うのかなと思った。
「いつも冴島といるよね。つき合ってるの?」
「———ううん、付き合ってない」
つきあって、ない。
彼女と上手くいってないとは言ってたけど、だからって私と何かあった訳じゃないし、これから何かが始まる予定もない。
いつものように一緒に居るけど、付き合っていない。
それが正しい答え。
「そうなんだ。てっきりそういう関係だと思ってた」
「ううん、ただ軽く拉致られるだけで、そう見えているだけだよ。冴島にちゃんと彼女いるし」
「なにそれ、最悪じゃん」
「うん、あっ、わたしは別になんとも思ってないけどねっ」
「・・・・・ふーん」
ワザとらしかったかな?
会話が途切れて、隣の名無し君は何も話さなくなった。
ナレーションの声だけが耳に入ってくる。
第三者的に見えてくる私たちの関係を考えれば、おかしなことは多い。
冴島とは少し金銭感覚とか、私を連れ出す強引さとかが(嬉しかったけどね)少しズレてる気がする。
私が冴島の事を好きだから許されるけど、なんとも思ってないって知ってて束縛するようにクラスメイト達から離すとかありえないよね?
そこまで考えが至った時、冴島彩人って人物がとても身勝手でどうしょうもないやつに見えてきた。
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