03.好感?男子の出現
第20話
休み明けに学校行くと、修学旅行へ向けてのミーティングで授業がなくなる。
和気あいあいと班が作られていって、グループごとに自由時間の過ごし方を練らないといけないみたい。
『めんどくせー』と言いながらも何だか楽しそうだった。
わたしは当然のごとく、ポツンと取り残される。
”わたし、この時間何してればいいんだろう?”
担任から何も言われないのがまたいたたまれなく、疎外感から別部屋で自習したいと申し出た。
「ああ、すまん。講堂小ホールに行きなさい。たぶん他にも居ると思うから」
「え?ほかにも、ですか?」
「ああ、何人か行かない人もいるんだ」
なんだ、初めて知った。
―――――もしかして、冴島がいたりしないよね?
そう思って視聴覚室の重厚そうなドアを開ける。
ここは教室ってより、小さな映画館のようなつくりをしている。
椅子は貧弱そうだけどきちんとした折り畳み式で、ひな壇のようになっていて、全体的に丸みを帯びていた。
薄暗い空間の中にはパラパラと人がいた。
後ろから見下ろしてそれっぽいシルエットを探したけど奴は居なかった。
”なあんだ、彼女との予定がなくなったから行くことにしたんだな”
そう思って人から少し距離をとって座った。
流れているのは、旅行先の文化、歴史に関するドキュメンタリーのような字幕入りの映像。
一応スキーの他にも表向きの目的があるみたいだ。
先生が一人ついているようだけど、腕を組んでユラユラとしていた。
正面から見えないけど、寝ているってすぐわかる。
他生徒は携帯を見ていたり、ぼーっと見てたり様々で、小さな声で話してる人たちもいた。
ざっと10人くらいかな。
わたしもボーっと映像を見てるけど、あまり楽しくない。
スマホ持ってくれば良かったな・・・。
ヒマな時間をもったいないと思ってしまう私は、空き教室で自習してる方がましだとか考えていた。
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