第37話

振り向くと、また背が大きくなってる甥っ子が、自信満々に腕を組みながらニヤニヤしながら私を見てる


もう、また大きくなってるー


頭一つは大きくなってるかも、悔しい



昂もあきちゃんも背が大きいのに、私と煌良あきらは背が小さい


きっと、最初の二人に持ってかれて、私たちの伸びしろが、無くなっちゃったんだ



この甥っ子は、神奈川に住んでいて、小さい頃は夏休み丸々こっちに来て、よく一緒に遊んでは泣かされてたけど、最近はさすがに夏休みいっぱい居ることは無い



年に一度か二度くらいしか会わないのに、私にとってこいつらの印象は最悪なままだ


親の居ないところで、横暴になったりして私を泣かせるのを、小さい頃から楽しんでるんだこの鮫島さめじま兄弟は



でも、ここで怒ったらあいつらのペースにはまってしまう


ここはひとつ、余裕がある大人になったことをアピールしつつ、冗談で返そう。



「あらら、詩安しあんちゃん来たんでちゅかー?大きくなりまちたね~」


「あー、普通にキモイ、ヤバい。もう二十歳でしょ?やり返したいの分かるけど、ちょっと思考回路が幼すぎない?」



もう、むっかつく!


冷静に分析すんなよ!

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