第30話

「いっただっきまーす」



美味しそう!


たっかのみそ汁だ、すっごく美味しんだよね。


ちゃんと、昆布と煮干しと鰹節でだしを採るから美味しいんだ



まずはやっぱり、これからだよね


湯気の立ってるお椀を受け取って、一口すすった。



「んんんっ〜!おいしーっ!ひさびさだね。ありがとう、たっか」



向い合わせに座って、頬杖ほおづえをついている彼は、少しだけ柔らかい顔で見てくれてる



だけど、ジッと私を見るだけで動かない


よく見たら、ご飯は一人分で私のしかなかった



「あれ?ご飯はどうしたの?食べないの」


「ん?――‥ああ、さっきった」


「えー、そうなんだ。なんだぁ、じゃあ、もっと早く起きればよかった」



「・・・一緒に食いたかったのか?」


「うん!一緒に食いたかったの!」



あ、わらった


一瞬だけ

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