第76話
「いいから帰って、早く!」
「嫌だ!こんな日に一人でいたくないの――――今日が何の日か分かるよね?」
「――――だからどうした?それとこれとは関係がない。早く帰れよ!」
焦るがあまり声が大きくなる。
大きい声を出したからって目の前の人が言う事を聞くはずがないのに冷静さを失っていた。
そのままもみ合いになっていたら 乙葉と母親が玄関に来てしまった。
その現状を見て二人は驚きながらも全てを悟っていた。
「ヒロ君、ご近所迷惑になるから上がってもらおう」
乙葉の口調はとても落ち着いていた。
真面目な表情で由香里を見つめている。
由香里は乙葉のことを睨んでいた、膨らみ始めたお腹を見て興奮したように息を荒くしながら肩を揺らす。
「上がって。でもさ・・・変なこと考えないでね?分かる?」
乙葉の冷静さを見習い口調を強めにして由香里に忠告をする。
「わ、わかったわよ。こっちだって犯罪まがいのことする気はないんだから」
家にあがりボロボロな靴をきちんと揃えていた。
よかった、精神を病んでいるように見えたけどまともな行動は出来るようだ。
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