第70話
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「まだ怒っていたのね…軽い気持ちで誘ってごめんなさい」
「なにも怒ってなんてないさ」
「じゃあ、どうして謝罪を受け入れてくれないの?」
「―――――もう、昔のことだよ」
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ていうかどうでもいい。謝罪なんてされたくないし、それで許したことにされてスッキリされても困る。
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「浩紀さん・・・。結婚したの?」
「ああ、いい出会いがあってね」
「・・・そう?ムリしていない?あなた、浮気とかできないタイプだったじゃない」
「浮気は出来ないね」
「それなのに、気持ちが揺らいじゃったの?」
「・・・・・ちょっと何言ってるか分かんないな。揺らぐも何も、俺は妻一筋だし」
「ああ、私はやっぱりあなたに酷いことをしてしまったのね。はたから見ればすごく痛々しいよ?私の幻想を追ってそんなことをしてしまったんだね」
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この女、何言ってやがる。
ガス抜きとはいえ、会話を続けるのがしんどいな。
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「明日、朝早いんだ。もうそろそろ電話を切ってもいいかな?」
「ああ、本当だ。朝早かったよね、ごめんなさい」
「じゃあ」
「あ、浩紀さん?」
「なに?」
「あなたのことが心配なの。―――また、電話してもいいかな?」
「心配されることは何もないけど?」
「うん、、、そっか、そうだよね。―――じゃあね、私の悩みあるからさ電話してもいい?」
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なんだよ、その誘い方。俺がムリに他の人と結婚して意固地になってるのをやんわりと諭すみたいな言い方だな。
超笑えるんですけど。ってか顔はにやけてる。
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「悩みごと?そうか、それならいいよ」
「良かった。じゃあま――――」
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