第62話

「もしかして・・・初めて・・とか、無いよね?」


「――――経験はあるけど・・かなり前なんだ。10年以上も前」


「・・・マジで?」

それって、実質上の”初めて”といってもいいのでは?


「うん、だからこんなに丁寧に触れられたことなくて…。痛い印象しか無くて・・」



そんな予想外のことを告白されて暴走しそうな男心に待ったをかける。


何となく体が硬直しているのが分かったからその緊張をほぐすことから仕切り直すことにした。



キスするたびに熱情を帯びた瞳で愛していると伝える。


ハードな行為はこれからのお楽しみとして、ソフトなタッチを心掛けた。



イタいと思わせないようにしっかりと潤わせて、浴衣を少しづつ脱がせていった。


胸の頂をいじりながら水が入ったコップを差し出せば、喘ぎながらもコクコクと飲む様には隠れていたSっ気心に火がつきそうになったけど、今日のところはぐっと堪えた。


お互いに何も纏わない姿になりながら再びキスを繰り返す。

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