第56話
二人で駅までの夜道を歩く。
それぞれの住み家へと帰るために。
駅の灯りが見え始めたころ、沈黙していた彼女が唐突に話し出した。
「私ヒロ君のこと好きだよ。悩める男も母性が湧いてキュンってなるけどさ、やっぱり笑っているヒロ君が好きかなぁ。これからいっぱい笑ってさ、幸せになろうよ」
親のこと、前妻とのこと、蓮人のこと。
頭の隅っこでぼんやりと考えていたことがバレていたみたいだ。
乙葉にそんな気遣いをしてもらえて嬉しかった。
「うん、そうだね。いっぱい思い出作っていっぱい笑おう」
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