第46話

変な間が空く。

ジョッキをグイっと傾け、半分以上残ってたビールを一気に飲み干した佐藤は、遠慮がちに言葉を濁しながら話し出した。



「なんか、俺の友達が最近見かけたらしいけど」


「由香里を?」


「うん。なんか暗い顔で夜の街を歩いてたって」


「一人で?」


「らしい。ついに鍋島の計画が発動したんじゃねー?この間、子供連れて公園行った時、蓮人と知らない女が手を繋いでたところ見たよ。」


「そう‥‥。元気そうだった?」


「うん、メッチャ楽しそうだったし、どこから見ても親子だったよ」


「そうか、よかった」



「由香里ちゃんは親からも絶縁されてるし、友達も離れてったし、どうしようもねぇよな」


「―――そうだな」

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