第44話

おとさん今度の休みはどこ行くか決まったの?』


”うん。○○にあるゲームセンターに行くことにした。ヒロ君行く?”


『うん、行こうかな』


”強制はしないよ?この間は忙しそうだったし。その辺大丈夫?”


『あの件は片付いた。モチ交渉成立』


”さっすが、仕事の鬼だね”


『あなたに言われたくない。休みの日でも市場調査行くくせに』


”いやいや、それは微妙に違うかも”


『どの辺が微妙なの?』


”だってさ、私は市場調査を装って―――――”


「そういうの、いま世間で話題になってるらしいな」



佐藤の声に反応して、文字を全部読み終わる前に顔をあげる。



「え?何が?」


「今のお前みたいにさ、目の前に友達がいるのに、顔の見えない相手へとメール返信に勤しんでる奴の事だよ」


「あ、ごめん。つい」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る