第25話

「オッケーオッケー、ちょうどいいわ。いっぱい罠かけるぞ」


由香里が出ていってから佐藤に連絡した。


奴は仕事終わりにも関わらずすぐに駆けつけてくれた。



高校生の時の仲間や俺の知らない業者っぽい奴らが近くのファーストフードに集まる。


皆で家へと帰り、見慣れないものが出てきても無言を貫けと言われ、彼らの行動を見守っていた。


そうしたら盗聴器がリビングのコンセント中に仕込まれていたことが分かった。




さっきの店に戻り、皆が親身になって考察してくれた。


「ケンカ吹っかけてDVされてる証拠でも取りたかったんじゃないか?」



「隣人とかにも聞こえるような大声をあげて証言もとる予定だったかもな」


そこまでするってことは・・・・。


「相手は君に落ち度があるようにでっち上げる気満々だぞ?」


佐藤の友人であるという業者にそう言われて背筋が凍る。


「盗聴器を撤去するのは簡単だけど、そうしたら怪しまれるからそのままにしておこう。見たところ相手の手札はそれだけだから、こっちは小型カメラを仕掛けよう。日にちが決まってるならほぼいいところ撮れるよ。おれ、それ専門だから任せて」


「俺はやつらの行動を追うから。日付付きの写真とそれを頷けるように行動メモとか取ればいろんな場所で証拠になるよ」


「宜しくおねがいします」



俺にはもうためらいがない。


この人たちの協力を得て、不利にならぬように下準備をすることにした。



その週末、俺は予定通りに出張のため関西へと飛び立った。

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