第20話

「うっわ~・・・なんか、こういうのきついな。マジ汚ねぇ」


「うん、同意。もう動物にしか見えない」


「万が一誘われたら由香里ちゃん抱けるか?」


「ムリでしょ、全然ムリだわ」



他の男にはキスに応じて、その男に股を開き、光悦な顔を浮かべながら喘いでいるのかと思えば怒りを通り越して吐き気までしてくる。


ってか、何度か嗚咽してトイレに駆け込んだ。



妻が違う男に抱かれてるとしても、喘ぐ姿を画面越しにみて気持ち悪いと思ってしまうのはもう重傷だろう。



「これは立派な離婚理由になるな。間違いなく有責はあっちだし二人から慰謝料取れるわ。この画像があるから慰謝料の件は示談ですむかもな。裁判になるとこっちが要求する金額が減額になるらしいから、これはだいぶ有利になる。よくやったぞ、浩紀」


「問題は親権がとれるかどうかなんだ」


「そうだな―――、いくら由香里ちゃんに非があろうと、母親から親権を取るのは難しいらしいぞ」


「やっぱり…そうなんだな」


「でも、なにか手はあるだろう。ちょっと信用ある奴らから情報集めてみるわ。由香里ちゃんサイドの友達とか何人かツテがあるから。あと、この男の顔がよく映ってる写メを赤外線で送ってくれな」


「おう」


「あと、このメールのやり取りからすれば会うのは今度の週末になってるな」


「そう、俺その日出張だからな」


「マジでか!じゃあ俺たちが見張っておくわ…。あれ、待ち合わせの●●駅って家の近く?」


「そうなんだ」

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