3、協力者

第18話

その後も何度か誘ってみたけど結果はだいたい同じ。


いろいろな理由をつけられて断られた。


初めのうちは見えない男に負けたようで腹立たしいかったけど、こんなにも拒否する女になぜ今まで愛してしまってたんだろうと馬鹿らしく思えてきた。



常に携帯を離さないようにと警戒している由香里だけど、子供のことになると無防備になる。



「ああ~、蓮~!トイレまでもう少しなのに~!」


そんなにイライラしても仕方ないのに、由香里は蓮を責めるような発言が度々目立ってきた。


お漏らしをして一番に傷ついてるのは蓮だというのに。


「ここは片づけておくから、蓮をお風呂に入れておいで」


怪しまれないように今ままでの優男を演じながら言ってみる。



「そうね、そうさせてもらうわ」



由香里はいつからこんな人になってしまったんだろう?


俺よりも好きになった男が居るのかも知れないけどさ、ここは”ひとりで片せてごめんね”とか”ありがとう、じゃあ行ってくるね”とかないのかよ?



人によって態度を変える人だったんだな。



まあいい。


とりあえず携帯を手放して風呂に入りに行った。



手早く汚れた蓮の下着を洗い、床も水拭きして携帯を拝借させてもらう。



パスワードは3回目でロック解除出来た。蓮の誕生日だった。


俺の誕生日か結婚記念日だったはずなのにいつの間にか変わっていた。



メールボックスを開けばわざわざフォルダ分けしてある怪しげなBOXを見つけ開いてみた。



そうしたら出てくるわ出てくるわ如何わしいメールのやり取りの記録。


遡っていけば底がないほど永遠とスクロールしていく。



この膨大な量は入浴中に確認することができないと悟った俺は、パソコンに入ってるSDカードを由香里のものと入れ替えてフォルダ内のメールを全部コピーした。


少しの動画と画像もご丁寧に保存してあるからそれらもコピーした。


それらはとても衝撃的なものだったけど、俺は機械のようにそれらをコピーしていく。

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