第7話
「蓮ちゃーん!いらっしゃい!」
「ばあば!」
「浩紀もいらっしゃい。あら?由香里ちゃんは?」
「友達と旅行に行った」
「あらあら、せっかくの連休なのに子供を置いて行ったの?」
何となく嫌な表情をする母親。
俺は由香里を庇うように話し始める
「早くに結婚して子供産ませたから、友達との縁を切れさせたくないんだ」
「でも、この間だって私が寄った時も呑みに歩いてたじゃない」
「たまたまだって。月に1、2回だよ。子供と向き合うばかりじゃ息も詰まるだろ?」
「そうかしら、私はあんたといて苦になったことなんてないけどね。誰かに預ける時もソワソワして気が気じゃなかったわ」
「――――人それぞれ違うだろ?子供の前でそういう話するの辞めてよ」
母親は由香里のことをよく思っていない。
由香里もクールな性格だし、愛想を振りまくタイプの人じゃないから尚更母親には印象が悪いのだろう。
「ますます由香里ちゃんに似てきたわよねぇ」
遊び疲れて寝てしまった蓮人の顔を見つめながら母親が呟く。
「男の子は母親に似たほうが幸せになるっていうよね」
多分、他のことを遠回しに言いたいのだろうけど、あえて気がついてない風を装う。
でも母親はすぐに言いたかったことをダイレクトに言ってきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます