第4話
「・・・作ったの?」
「うん、蓮人も一緒に作ってくれたんだ。さあ、由香里も髪を乾かしたら一緒に食べようよ」
「ごめん、食欲ないんだ。このまま寝てもいい?」
「どうした?風邪か?」
「うん、それっぽいかも」
由香里の言葉は熱がない。
はじめはクールな人なんだと思っていたけど、感情がないからだと気が付いたのは蓮人が生まれてから。
息子には多少の笑顔はみせるが、俺に向ける表情はいつも同じ顔。
多少の違いはあれど、どうでもいいって言われているようにしか見えない。
だからなのか?
具合が悪いって言われても、俺をあしらう為の嘘に聞こえてしまっていた。
あの頃は特に悪くて、数ヶ月もそんな状態が続いていたんだ。
「パパのうそつき!」
「・・・ごめんね」
「れん、がんばったのに、ママ、げんきないよ?!パパ、うそばっかり!」
そう言ってへそを曲げる息子を何とか宥めてご飯を食べさせ、風呂に入れてから寝かしつける。
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