第3話
「パパー!おかーり~!!」
「蓮!ただいま~~!」
今朝、息子と涙のバイバイを交わした俺は数時間ぶりの再会に気持ちが抑えられなくてギューッと抱きしめた。
「また始まった」
俺たちの大袈裟な再会に冷めた目で一瞥したのち横を通り過ぎていく。
「・・・・ママもヤキモチ妬いちゃって~、ほら、おいで!三人でギュ~~しよう!」
「ママもママも!いっしょ!」
俺と蓮人は妻である由香里に手を伸ばすけど、冷めた目は続行中でそのままシャワー室へと消えていった。
「ママぁ・・・・」
「ママはちょっと元気ないみたいだね」
「そうなの?」
「うん、でも大丈夫だよ!パパの愛の力で元気になるから」
「ホント?」
「ホントホント!さあ、蓮?ママが出てきたらびっくりさせよう!男の料理で元気になってもらおうな!」
料理をするのは好きだった。
というのも、俺は母子家庭で育ったからだ。
忙しい母の代わりに俺が家事をしていたんだ。
高校を卒業して一人暮らしを始めてからも、自炊は出来るだけしていた。
だから、妻が作ってくれなそうな時は自分から夕食を家族分作るようにしていた。
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