試験中の妄想

@June-till

日本史




日本史の期末試験。生徒の机には問題用紙が置かれ、教室には緊張感が漂っていた。


「はい、始め!」

先生の声とともに、俺は問題に目を落とした。


問題1:織田信長が本能寺で明智光秀に襲撃された事件は?

よし、これは簡単だ。1582年、本能寺の変だ。

ところで信長は光秀の襲撃に気づかなかったのかな? もし信長がLINEを使えていたら...。

信長:光秀、どこ?

光秀: 本能寺に向かってます

信長:えっ、なんで?今日ウチに来る予定ないよね?

光秀: あ、その...サプライズです

信長:怪しい...。家康に電話しとこ


...って、何考えてるんだ俺は! 次の問題だ、次!


問題2:江戸時代に民間で行われた教育機関の名前は

えーと、寺小屋と

昔の子どもたちも試験で苦しんだのかな。江戸時代の試験問題ってどんなだろう?

問:徳川家の御威光を5文字で表せ

正解:ははぁぁッ


そんな問題あるかッ

次はと、、


問題3:日本が清と日清戦争後に結んだ講和条約は?

これは下関条約だな。ところで代表者は何を話し合ったんだ??

伊藤博文:「講和条約場所は下関で...ふぐ食べながら交渉しようぜ!」

李鴻章:「ふぐの毒怖いな、、」

伊藤:「大丈夫。ふぐで毒されるより、この条約のほうがキツいから!」


胃がもたれるわッ!


試験中妄想が止むことはなかった。

後で気づいたのだが、答案の隅に妄想の断片を書いてしまっていた。




2週間後、答案の返却の際

先生:「まずまずの成績です。 それよりも家康に電話て何?」

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