第30話 ヨミウリ侯爵家・建国家族会議
王国暦 245年 12月末
サダハルオー・セリーグ国王に言われた独立建国の件。
年内に返事をするとの約束をしている侯爵一家。
まずは家族会議に先立ち
一族郎党・騎士団員・陸海軍兵士・行政官僚・使用人等30万人の意思を投票で確認。
賛成95%、反対5%(その理由のほぼ全てが魔王島への恐怖)
という結果が先週出たのを踏まえ今日の最終会議を開いていた。
参加者 11名+3名(オブザーバー) 計=14名
当主
ヨシノブ・ヨミウリ12世侯爵
長男
アレックス
次男
イチロー
三男
タイセー
長女
次女
タイセー婚約者
ラブリー・エリザベス女神使徒
エガワ・ヨミウリ11世前侯爵
クワタ・ヨミウリ
王国海軍大将(ヨシノブ弟)
シンノスケ・ヨミウリ
ヨミウリ侯爵陸軍大将(ヨシノブ弟)
オブザーバーとして何故か
瑞穂王国国王
そして自らを桜王妃専属護衛謎の男Mr.オーと名乗る全身黒装束、目出し帽の輩……
**********
サクラ王妃を除く皆の雰囲気が、若干緊張気味で堅苦しくなっている。
「家族会議を始める前に確認したいのだが…
「ああヨシノブ、一昨年以来か。」
「ああそうだ。まあお前とは同期で親友、我が妻カエデの兄、つまり俺の義兄だから瑞穂国王としても家族だ。」
「我もそう思っているぞヨシノブ。」
「カエデの姉であるサクラ王妃も家族会議オブザーバー出席の権利は辛うじてあるだろう。」
「ヨシノブ侯爵。何時も妹のカエデを大切にしてくれて、ありがとうございます。」
「いやそれより、おい!サクラ王妃の後ろに立っている 2m超えのバカでかい目出し帽輩!」
「はっ、
と言いつつ、会議なので胸元を隠した紺のタイトドレスに身を包む、美しいラブリーに視線が釘付けの目出し帽…
「………お前という奴は…年内に報告すると言ったはずだがサダハルオー!」
「謎の男Mr.オーです。」
「やかましい!1国の国王に椅子も用意せず立たせたまま、家族会議等できるか!!」
「なんだバレてたか!ワハハハハ。ヨシノブ流石だな探知魔法か?」
「……そんなもん使わなくてもそのバカでかいタッパに、筋肉で盛り上がった大胸筋に肩幅。ここにいる全員が国王だと分かってるわい!」
「そうか良かった。いやなにコレ目出し帽って奴、結構蒸れて暑いんだよ。取ってもいいか?ヨシノブ。」
「勝手にしろ、さっさっと王妃の隣の椅子に座れ」
「やはり親友だなヨシノブ。椅子も用意してくれて。」
「相変わらずですなあw国王陛下。その気さくな性格、前国王にそっくりじゃw」
「いやいや親父殿こそ、元気そうで何より。どうですか?これが終わったら久しぶりに一杯」
「いいですなあ陛下との……」
「黙らっしゃい!!父上と陛下。これ以上邪魔するならさっさっと食堂で飲んでおれ。
タイセー叙々苑の高級焼肉と生ビールそれとロマネ・コンティだったか?それでこの2人を黙らせろ!」
「了解です父上。ラブリー収納バッグに全部入れとくから、爺様と国王陛下を連れて飲ましてやってくれ。」
「はいダーリン♡このラブリーに全てお任せを。さあ行きましょう、凛々しい陛下に若々しいお爺様。」
「おおこれは噂の女神様と飲めるとは、このエガワ・ヨミウリ冥土の土産ができたわい。」
「ラブリー殿、なんなら我の直轄地の1部を化粧代としてお渡しいたそう。」
「陛下、何か鼻の下が伸びてるような声が聞こえてますけど!」
「サクラ王妃様も是非御一緒にどうぞ♡美味しいシャンパンとフルーツ盛合せもお出し致します。」
「あら気が利くわねラブリーさん。流石タイセー君いいお嫁さん見つけたわ。」
「ヨシノブ。妹2人も元気そうだし、他国の事にオブザーバーとは言え、参加するのも図々しいかと愚行する。瑞穂国王としてこれからもおまえ……」
「うるせーよタツノリ!どうせお前もラブリーと飲みたいんだろ!さっさっと行ってこい。」
「いやそうではないぞ!そうではないが、そうかお前が言うならそうしよう…御免」
するとクワタ・ヨミウリ王国海軍大将
「兄上。父上の様子が心配ですので自分は付き添いとして同行致します。」
シンノスケ・ヨミウリ
ヨミウリ侯爵家陸軍大将
「ヨシノブ兄上、あの2人だけでは心配です。自分が歯止めとして監視役を勤めてまいります。」
「……おまえら……とっとと行け!会議結果に後から文句たれたら物理的に消すからな!!『俺だってラブリーと飲みたいのに…』」
タイセー
「父上、最後の小声…聞こえてましたよ。」
「はあ~全く男って生き物は。貴方と私の息子達3人で出した答えに従います。それより嫁姑の関係を良好にしてきますね。アジサイ、ツバキもいらっしゃい。」
「「はいお母様」」
こうして10人が食堂に消え、残った4人は「…………」
侯爵
「又にするか…」
アレックス
「いや父上結論は独立オッケーで良いのでは?」
イチロー
「良いと思います。それを食堂の陛下に報告すれば、俺達も焼肉食べられるし。」
タイセー
「明日魔王島に今日の参加者14名全員、連れて行きましょうか?」
侯爵
「それは構わないが、首都としてどれくらい仕上がってるんだ?」
タイセー
「9割方完成してます。前世の東京に引けを取りませんから、見ればおそらく帰りたくなくなるかと。」
「「「………」」」
侯爵
「そんなに力を入れたのかお前。」
タイセー
「ええ女神使徒のラブリーですら、天界でも見たこと無いと驚いていましたから。」
侯爵「百聞は一見に如かずとも言うしな、分かったそうしよう。独立成立だな。じゃあ我々も行くか。」
イチロー
「タイセー。こないだのシャトーブリアン食べ放題で頼むぞ。」
「分かってるよ。その代わり兄貴には空軍部隊任せるから、頼んだよ。」
「俺のスキル飛翔魔術に持ってこいの部署だ!まかせとけ。」
「魔術無しで飛べる戦闘機の操縦から覚えてもらう。」
「魔術無しで飛べるのか……何でもありだな…まあその方がタイセーらしいかw」
アレックス
「その戦闘機とやら俺もほしいな。」
「もちろん。ヨミウリ一族全員分もう完成してるから、いろいろ落ち着いたら講習会開くよ。」
アレックス
「おおーそれはいいな。」
侯爵
「よし、行くぞ」
「はい父上。」
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大事な独立建国の是非を問う会議は、ものの2~3分で結論が出ました。
その後の叙々苑・最高級焼肉パーティーは日付が変わるまで続いたとか。
女性陣もタイセーの出す東京スイーツに卒倒しそうなはしゃぎぶり。
侯爵家族専用食堂にはラブリーの元気な声と皆の笑顔(鼻の下の伸びたw)が飛び交う大宴会に。
タイセー国王の東京王国外務大臣を打診されたラブリーの返事は「かしこまり~♡」ですよね。
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