第14話 タイセー・メジャー帝国宮殿へ


 ピン !

「ほお気付いたみたいだな。威力は無いに等しいが、この距離で鑑定かけてくるとは、流石皇帝陛下。じゃあお返しだw」


 ピンピンピン!!!

「グッ!!なんだこの威力。我の鑑定を跳ね返し逆に入り込んできた…どうやら丸裸にされたか(汗)」



 ジーター皇帝執務室


 部屋全体が真っ白く覆われ部屋内にある全ての装飾品・執務机・豪華な皇帝の椅子・重要書類。控えていた執事に護衛の近衛騎士5人まで消滅していた。


「まったく明日学園初登校だってのに。魔族とつるんでちょこまかと動いてんじゃねえぞ侵略者が!!」


「貴様!!どこの誰だ!!」


「さっき鑑定してたろ。防御かけてたから、名前すら読み取れなかったか?」


「……まさかとは思うが、貴様の収納魔法は生きてる人間も可能なのか?」


「ああ1人返してやるよ。」


 ポンと音がなり皇帝専属執事が、真っマッパの哀れな姿で床に現れた。

「服が服がーーひいいいい」


「そんな…馬鹿な…古代魔法の文献にさえ、生き物を収納する魔術等存在しない…」


「マッパ執事は見るに耐えんな入ってろ。」


 スパッ再び消えるマッパ執事。


「さてとジーターさん。カブレラ統括がマクガフ公爵のとこで悪さしてるんだが、あんたの入れ知恵だろ?」


「ふん何のことだ狼藉者が。」


「おっ!!魔力の流れに変化が?これは盾バッシッュかな?いつでもいいぞ、やってみろ。」


「小僧その余裕が命取りだ!!」

 ジーター皇帝がレベルMaxの光盾バッシュを放つ。

 だがズドン!!シュッ……一瞬で消滅した。


「バッシュを遠隔で撃てるのは合格だが、威力がこの程度じゃ俺には児戯に等しい。」


「……」

 信じられない者を見る目でタイセーを睨み、ギフト皇帝カリスマを発動

「小僧我の前に跪くのだ!!」


「ははあ皇帝陛下様なんちゃって」

 シュッ!!収納から取り出した剣を一閃するとジーター皇帝のベルトが切断され、ズボンがずり落ちた。


「なんと!!我の光防御結界を破るだと…それは神が作りし聖剣なのか?」


「え?そこ?違うだろ皇帝。ベルトだけ切る俺の腕を褒めろよ。それとこの剣、さっき収納した近衛騎士が持ってた奴だから。そもそも聖剣って何?」


「ギフトもスキルも最強結界も効かぬ…御主何者だ!!」


「ふっやっと小僧から御主になったかwあんたの大好きな"抑止力侯爵"の三男坊だよ。」


「なに!!ヨミウリ侯爵家だと。三男は天才剣士タイセーか?」


「その呼び方照れるなw剣もそうだが魔術も得意なんだよ。今まで黙ってたがなw」


「ここを何処だと思ってる。我の宮殿で調子に乗るなよタイセー」


「あっそっ。じゃあ我の宮殿が無くなりゃいいのかw」


 ボンキュボン


 メジャー帝国の象徴。ランドマークとも言えるジーター皇帝のプライド宮殿が跡形もなく消えた。


「ボンキュボンって効果音は良いねえwやる気が出るぜ。」


 帝都ブロンクスの一等地、小高い丘にタイセーとジーター皇帝2人だけが立っている。


 いや立っているのはタイセー1人。

 狂戦士バーサーカーと恐れられ侵略国家メジャー帝国のトップ・ジーター皇帝も腰から砕け、身体中が震えていた。


「いいか1回しか言わねえから、よく聞いとけよ。大方カブレラの馬鹿とヨミウリに侵攻する計画だろうが、そんなことしてみろ。お前をいやジーター皇族家の一族郎党赤ん坊まで全員するからな。」


「きゅ…宮殿が…」


「ああ~あんた自慢の宮殿か、俺がもらっといてやる。

 それも内装は令和の最新設備にリニューアルして、家電とかも取り付けるから凄い城になるぞ。」


「我の…皇族家の命…宮殿がぁぁぁ…」


「心配すんなリニューアル工事終わったら、改築記念パーティーに招待くらいしてやっから。そうだ人はいらねえ。ほら」


 ボン!!


 宮殿内に居た1,000人近くの人間が収納から出される。


「下手に騒がれると煩いから全員寝かせてる。1時間もすりゃあ目を覚ますだろう。説明は自分でするんだな。」


「かえせ…ううううう宮殿を我の宮殿をかーえーせーーー」


 光バッシュにギフト皇帝カリスマを複合させ、∞の魔力を込め渾身のバッシュをタイセーに叩き込むジーター皇帝。


 ズドーーーンドカーーンバーーーン………


 光魔法同士が激しくぶつかり合い、宮殿跡地に半径2km深さ100m程のクレーターが出来た。


「危ねぇなバカ野郎!!咄嗟に収納しなきゃ1,000人が死んでたぞ。お前の部下達だろ~が!!」


 ジーターを光 投網バインドで拘束し、誰も出入り不可能な結界で隔離する。


「2~3日そこで頭を冷やせ、結界内では魔術は使えん。お前の複合魔術かなりの威力だが俺の前では無力だ。」


「きゅうでんを……か…え…せー」


「言ってろ、3日後にまた来る。帝国は分割し8割はセリーグ王国で統治する。その半分をヨミウリ家が貰うぞ。それと武器武具の類いは全て没収、騎士の命、馬もだ。これからは残り2割の元帝国を平和国家としてどうやって国民を養うか、それを3日間考えとくんだな。」


「じ…じ…んがい…め…」


「人外?お前だって十分そうだぞ。その力をもっと内政に向けてれば、国家は繁栄しこんな事にはならなかった。そもそも魔族と手を組むなんて言語道断だ!!ほら」


 再び1,000人近い宮殿内の人達を外に出す。


「じゃあ3日後な。その3日間でカブレラとマクガフ家が色々やらかすだろ。わざと泳がして動かぬ証拠を押さえ、帝国・魔族・マクガフ家を一気に潰す。帝国の半分とマクガフ家領地を

 ヨミウリの物にする。魔王島は俺の領地にして宮殿はそこに置く。まるで俺が魔王だなwwwww」


「ひいぃぃぃぃぃ」


 意味深な言葉を残しタイセーは王都屋敷に転移で戻る。


「これだけ脅しておけば少しは大人しくなると思うが、3日後改心してなかったら洗脳だな。そもそも帝国の分割統治とか、魔王島を貰うとか、セリーグ王族や親父達の許可もなしに出来る訳無いだろww」


 良かった。一瞬タイセーを魔王にする方向に舵を切りかけた作者でしたm(_ _)m



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