第6話 ヨミウリ侯爵家王都屋敷
『マスタースキルポイント割り振り、こんな感じで如何でしょうか?』
『まあ取りあえず良いだろう。細かい直しは夜にすっか。そろそろ到着だから大人しくしてろ。』
『りょ』
『……どこの世界に主人に向かって
りょ返事する奴がいるんだよ!!』
『ラブリー進化中…プツン』
『自分で切りやがったw』
「タイセー様。無事王都屋敷に到着致しました!!」
近衛騎士団護衛部隊50人を纏める隊長が報告する。
「ああお疲れさん!!全員荷解き終わったら風呂に入って、ゆっくり疲れを取ってくれ。今夜は豪勢な夕食も用意するように先触れを出している。もちろん酒もあるぞ。」
「はっ!!全員聞いたか!!15人で荷解き、30人は馬の世話、私を含め5人で屋敷の警護に加わる!!大至急準備!!」
ダニエル・グラスノー
ヨミウリ第3近衛騎士団副団長(35歳)の号令で全員キビキビと動く。さすが鍛えあげられたヨミウリ家の近衛騎士達である。
「タイセー様お待ちしておりました。」
王都屋敷執事長のマイケル・トライネン(45歳)他メイド等20人、屋敷警護のヨミウリ第5近衛騎士団王都部隊100人が出迎える。
「ああトライネン久しぶりだな。」
「おおおタイセー様すっかり大人びて、背もこのトライネンより高くなり立派な男になって嬉しゅうございます。」
「タイセー様、剣術の腕もヘイワード総長ですら最早敵わないと伺っております。」
続いてエバン・ストーン
第5近衛騎士団・王都部隊隊長(40歳)が全身で嬉しさを表す。
「ストーン隊長の厳しい基礎訓練のお陰だw」
タイセーは3歳~10歳迄の7年間、当時ヨミウリ第5騎士団育成部所属のストーン隊長に、厳しい剣術基礎訓練をみっちり叩き込まれた。
「あの頃が懐かしいですなぁ。どうです明日の朝稽古で久しぶりに三本勝負などは?」
「ああ望むところだ朝稽古は領都と同じ6時からか?」
「はい、日曜日を除く毎朝やっております。」
「分かった俺も明朝から参加しよう。ただ冒険者登録もするので毎朝は無理だろうがな。」
結局領地では時間が無く出来なかった登録を、冒険者ギルドスイドウバシ本部で行う予定。
その時ダダダダダダダダーーと激しく地面を蹴る音と共に土煙が舞う。
「うーわ来た!!記憶より実物は100倍速くてすげぇーな!!」
「なにやつ!!」ミーナが剣を構えタイセーの前に出て立ち塞がるも、スルリとかわされる。
「タイセーーーーーーー」
ガシッと激しいハグをかまされ無抵抗状態のタイセーくん。
その後ろから「だから待てと言ってるだろ」と大柄な男が1人。
「姉貴!!分かったからそろそろ離してくれ!!」
たまらずタイセーが振りほどく。
「あらタイセー。お姉ちゃんのハグを振りほどけるようになるとは、貴方どれだけ鍛えたのかしら?」
侯爵家長女
「確かにお前凄いな。この馬鹿力のハグほどける奴なんて初めてみたぞ。」
侯爵家次男
イチロー・ヨミウリ侯爵家(17歳)210cm140kgの体術と盾術に優れた巨漢だ。
「よお兄貴・姉貴久しぶり。相変わらず姉貴の馬鹿力は衰え知らずだな。兄貴はまたデカくなったんじゃねっ?w」
「えっ!!その喋り方どうしたのタイセー。愛され弟キャラ崩壊してるわよ。」
「そう言えば雰囲気も随分と男っぽくなったな。これでお前もヨミウリ家の輩だぜw」
双子の姉兄とヨミウリ家らしい挨拶を交わす3人。
そんな中ミーナが突然、紫陽花の前にフライング土下座を決める。
「すみませんでしたーー。私を弟子にして下さい。」
「えっ!!誰
「いやあの…先程私の脇を通り抜けてタイセー様にハグを…その速さに感服致しました。是非とも弟子にしてく…」
「あーー貴女だったの、ごめんなさい。タイセーしか見てなかったから、道端の石か何かと思ってたわw人間だったのねw」
「うーわ出たよ毒舌パワー姫w道端の石か何かって表現酷すぎだろ。双子の兄として言うけどもう少し侯爵令嬢らしくしないと売れ残るぞw」
バシバシ!!ドガーン!!バタッ
哀れ格闘パワー姫の左右張り手をもろ喰らい、軽く20m吹き飛ばされ頭から
「「………」」
初めて見るミーナは勿論、見慣れてる(記憶上)ハズのタイセーも人間離れしたパワーに固まってしまう。
「痛いなこの馬鹿姫!!思い切りやる奴があるか!!普通なら即死だぞマジで」
傷1つ無く爽やかな顔で立ち上がる不死身の巨漢w
「えっ!!無傷?どうしてもう立てるの?……」
再び固まるミーナ。
「うるさいわね!!アンタ以外に思い切りやる訳無いでしょ。普通に殺人犯になるわよ!!不死身のイチロー脳筋輩め!!」
その時「シュン」1人の男が突然現れる。
「「「「「………」」」」」
第3騎士団50人&第5騎士団100人侯爵屋敷使用人等、全員が固まった。
「はい、そこまで!!各自仕事に戻れ。おい、そこの2人!!そんなに反省部屋に入りたいのか!!」
「ひっ御兄様」馬鹿力姫
「うっ兄上」不死身脳筋輩
「拘束時間1時間!!」
そう唱えた瞬間、2人の姿が消えた。
騎士や使用人達全員姿勢を正し跪く
「「「若様お帰りなさいませ。」」」
「ああ、ただいま。もう良いから仕事に戻りなさい。」
威厳とオーラのある声で指示を出す若様。屋敷内の全員が急いで仕事に戻る。
「兄上、お久しぶりです。お帰りなさい。」
タイセーが挨拶するその人こそ
アレックス・ヨミウリ侯爵家嫡男(18歳)
王国立ドーム学園高等部3年生
学力試験&実戦試験共に入学以来トップに君臨し続ける、学園始まって以来の天才。
「タイセー久しぶりだな。随分と背が伸びたな、立派なヨミウリ家の男だ」
「いえ兄上こそ、次期侯爵としての貫禄十分ですよ。」
「はははそうか有難う、そちらのお嬢様がアルトマン男爵の御息女ニーナさんかな?」
「♡♡♡♡♡」
「おいニーナ!!兄上が聞いてるぞ!!」
押し黙るニーナの顔を覗き込むタイセー
「♡♡♡♡♡」
「あーー駄目だこりゃ。兄上また被害者が増えましたよw」
「いやすまん。そんな気は毛頭ないのだが、ちゃんと戻しといてくれwこれから陸軍大佐殿と打合せがある。夕食迄に戻るからその時に改めてな。」
「はい、相変わらずお忙しいですね。お気をつけて。」
「ああ」 シュン!!
「消えた、子供の頃から憧れてた兄上の転移魔法。まさかの俺も使えるんだよなあ。もうしばらく内緒だけどな、それより」
「おいニーナ起きろ!!気を確かに持て!!」
「♡♡♡♡♡」
「駄目だこりゃ!!だっふんだー」
みんなに忘れられてる双子の兄妹…まあ拘束時間1時間だからそれまでの辛抱だww
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アレックス・ヨミウリ侯爵家嫡男(18歳)
天才の名を欲しいままにする次期ヨミウリ家侯爵。タイセーの兄である。
無属性魔法レベル100Max
・スキル拘束時間魔術レベル10Max(1分~1年)
・スキル転移魔術レベル10Max
最大転移距離半径500km1日5,000kmまで。
・スキル重力魔術レベル10Max
1kg~100,000kg加重、相手を目視する必要あり。
・スキル無属性結界レベル10Max物理魔術スキルレベル9迄防げる。
格闘術レベル10Max
槍術レベル9
ギフト:万能神の加護による圧倒的カリスマ性(王の器)
流石、戦闘力王国筆頭の名門ヨミウリ侯爵家嫡男。頭脳も明晰まさに天才である。
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