第7話 魔族統括デビル・カブレラの暗躍


「他愛のない奴等だ、Sランク冒険者でもこの程度かw」


 マクガフ公爵家に忍び込んだカブレラ統括。

 闇隷属化スキル・レベル10,000を誇り、公爵家影部隊のオドア隊長(Sランク冒険者)を始め、マクガフ公爵家全ての人間を隷属させた。


「デストラーデ・マクガフ公爵本人が視察で不在とは悪運の強い奴だw明日には戻るとの事、洗脳し公爵の肩書きを最大限利用させて貰う。」


 オドア隊長が恭しく跪きながら

「カブレラ統括様の命令に従い、今夜から早速公爵領民を拐って参ります。」と告げる。


「ああオドア期待しているぞ。なるべく20前後の若い魂が欲しい。先ずは明日中に10人集めよ。」


「畏まりました。では行ってまいります。」

 オドアは部屋をでて部下50人を引き連れ夜の闇へと消えた。


「さて公爵家という最高の拠点も確保したし次はメジャー帝国だ。」

 メイドが入れたワインを飲み干すとメジャー帝国帝都ブロンクスに飛び立った。


 **********


 メジャー帝国

 フェンウェイ・パーク大陸の東一帯1,800万k㎡の広大な領土を有し(日本の45倍以上)

 4億人の人々が暮らす大陸1の国家である。


 東海岸沿いにある帝都ブロンクスは経済の中心地で人口3,500万人の大都会。

 帝都を見下ろせる標高100mの高台にそびえ立つメジャー帝国宮殿。

 その屋根に降り立ったカブレラ統括は悪意に満ちる魂を探知

「侵略国家だけはあるな。皇帝陛下の心は野心で満ち溢れてる。隷属化は容易い事よw」


 宮殿内全員を隷属化させジーター皇帝陛下執務室に入るカブレラ統括。


「ほお物凄い魔力だな。闇魔法か典型的魔族と言いたいが、生憎本物見るのは初めてなんでね。」

 いち早く気付く

 アーロン・フォン・ジーター(42歳)

 メジャー帝国皇帝陛下。


「ああ大陸に来た魔族は245年ぶりだからな。皇帝陛下とお見受けするが流石人族にしては高い魔力だ。」


「御主もなデビル・カブレラ統括」


「鑑定持ちか?」


「ああ、属性は魔族の天敵"光"だw」


「どうりで先程から俺の隷属魔術が効かない。光防御結界持ちか?」


「ふん、試して見ろカブレラ」


「人間風情が!!物理なら防げまい。」


 格闘術を使いジーター皇帝陛下に鋭く重い回し蹴りを叩き込む。

 ドガッ!!ガシィ!!

 光防御結界を身体中に張り巡らしたジーターはびくともしない。


「こんなもんか?カブレラ統括殿w」


「貴様の光結界!!魔力に物理の両持ちか!!本当に人間なのか?」


「お前こそ本当に魔族統括か?得意の魔術でどんどん来いよ!!」


「舐めるな!!」

 無詠唱で闇魔法スキル黒槍ブラックスピアを飛ばす。


 ビシッ!!ザシュ!!ドスッ!!

 ジーター皇帝陛下の光結界を貫く50本の黒槍。だが次の瞬間

「シュューーー」

 全ての槍が光に包まれ消滅する。


「な!!!」


「どうしたカブレラよ、まさかもう終わりか?」


「……光結界の強さは分かった。残念だが魔王様不在の今、弱体化した俺の魔力では結界を破れない。」


「魔族にしてはずいぶんと素直な物言いだな。」


「だが皇帝陛下よ、宮殿内の皆は既に隷属化している。メジャー帝国の民達も洗脳し奴隷にするつもりだ。これは防ぎようがあるまい。」


「ああそうだな。御主がこの部屋にくる前に、我のエリアヒールで洗脳が解けるか試したが無理であった。」


「侵略国家の皇帝にしては素直だなw」


「それはさっき御主に言った言葉だw」


「ふむ、何かあるのか?」


「ああ、どうだ我と取引きせんかカブレラよ。」


「取引きだと?隷属化させた人間達を魔王島に持ち帰るのに、そんな事をする必要が無い!!」


「帝国海軍の輸送艦乗組員いや帝国軍全員を隷属化するつもりだろうww」


「そうだ!!今すぐ実行する」


「ははははは、無駄だよ統括殿wさっき自分で言ってただろ。我に隷属魔術が効かないとw」


「だが他の人間には効いている!!」


「御主の気配を察知し鑑定で闇隷属を見た時、帝国軍兵士1,000万人全員に我の光結界エリアを張った。」


「ば、馬鹿な1,000万人に結界だと。そんな爆大な魔力どこにある!!」


「よい教えてやろうカブレラよ。我は神からのギフト"皇帝カリスマ"を持っている。その魔力はギフト故に神から直接しかも無限に頂けるのだ。」


「無限……」


「ギフト"皇帝カリスマ"にスキル光結界を複合させる事が可能でなwこれこそが我が帝国皇帝として君臨出きる証だ。但し複合は所詮複合、無限とは行かない。結界を与えられる限界数は1,500万人」


「1,500まん…」


「ああ帝国国民4億のうち僅か3,75%だ。」


「いやそれだけ守れれば十分だろ。むしろ1,500万人に結界張れるあんたこそ魔王様と同等もしくは…」


「それは無い、残念だが我は攻撃魔法が使えん。」


「そうなのか…いやそれでも鉄壁の防御力があれば全軍隊を守りながら戦えるではないか。」


「ああ個人ならギフト光盾バッシュが使える、レベルMaxだ。先週も魔の森で赤龍レッドドラゴンつがいの頭をバッシュで叩き潰してきた。」


「赤龍…Sランク魔物しかも番って2頭同時か?」


「だが我の攻撃力バッシュでは個人・単体との戦闘。本格的戦争の広域戦闘力にはならない。そこが魔術で街毎焼き払える魔王とは決定的に違う。」


「人間でSランク魔物2頭同時に殺れるって十分過ぎる戦闘力だがなw我でも同時なら複数の龍は手こずるぞ」


「話がそれたなカブレラ。御主の隷属魔術、我の帝国軍には効かぬ。船が動かせねば幾ら人間を拐っても魔王島には連れていけない。商船に乗せても帝国海軍の攻撃で海の藻屑だぞ。さあどうする?」


「ふぅー負けたよ。流石だなアーロン・フォン・ジーターメジャー帝国皇帝陛下。で取り引きとは?当然俺にも旨味あるんだろうなw」


「ああたっぷりとなw場所を変えよう極上のワインがあるぞ来たまえ。おお~その前に宮殿内の隷属を解いてくれ。ソムリエと料理長が必要だろw」


「分かったよジーター皇帝陛下」


 人族最強防御力と強力な光バッシュで戦狂士バーサーカーと呼ばれる残虐皇帝と魔族統括デビル・カブレラ。

 最悪なコンビが誕生するブロンクスの夜。


「駄目だこりゃ!!だっふんだー」なんて言ってる場合じゃないぞタイセー君。


 ーーーーーーーーーー


 アーロン・フォン・ジーター(42歳)

 メジャー帝国皇帝陛下。


 光魔法レベル100(Max)


 スキル

 光防御結界物理レベル10(Max)

 光防御結界魔力レベル10(Max)

 光探知レベル10(Max)

 光回復エリアヒールレベル10(Max)

 光鑑定レベル10(Max)


 ギフト

 光盾バッシュレベル10(Max)

 皇帝カリスマレベル10(Max)

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