覚悟がありますか?
第50話
目が覚めて周りを確認すると見慣れた景色が飛び込んできて、三浦さんの家に帰って来たんだと安心できた。
昨日のことが夢の中のことのような気がするけど、ところどころ痛む体や軽い倦怠感が昨日のことは夢じゃないと理解させる。
三浦さんを探してリビングまで行くと、軽食を食べながニュースと新聞を見ている三浦さんがいた。
「おはよう三浦さん」
「っ、おはよう真穂、起きて大丈夫?」
「うん、だいぶ寝れて頭はすっきりしてる」
「そっか…」
三浦さんがほっとしたのが表情から伝わって嬉しくなった。
飲んでいたコーヒーをテーブルに置いて席を立つと、三浦さんはキッチンでフライパンに火をかけ、私の分の朝食を作り始めた。
「お腹空いてきたかも…」
三浦さんの背中を眺めながら、三浦さんが座っていた向かいのイスに座る。
音と匂いから三浦さん特製のオムライスを作ってくれてるのかもしれない。
楽しみに待ちながら流れているテレビに目を向けると、朝のニュースだと思っていたテレビは普段見れない昼のニュース番組で、壁にかけられた時計の針は午後の13時をさしていた。
「え!私、こんなに寝てたの…!?」
「すごい寝たよな。14時間以上寝たんじゃないかな?」
私の独り言に反応があって視線を戻すと、ワンプレートにオムレツとミニトマトとレタスときゅうりのサラダ、クロワッサンを載せた三浦さんがテーブルに戻ってきてた。
「自己最高記録更新です…」
「それだけ疲れてたってことだろ。休めてよかったじゃん」
私の目の前に立って優しく笑う三浦さんに見惚れていると、優しく頭をなでられる。
2、3回頭を撫でた手が離れると、今度は両手で頬を掴まれ上を向いた私の唇に三浦さんの唇が重なった。
「ん……っ」
軽く触れて離れるキスが数回繰り返されたあと、三浦さんの顔が少し下にさがって首に埋められたと思ったら、目立つところにキスマークを1つつけられた。
「いたっ……」
小さな痛みがつけた赤い痕は存在感を示し、私に三浦さんの存在を主張してきた。
「み、三浦さん!見えるところにつけるのは…!」
「タートルとかで隠せばいいじゃん。当分の間、俺以外の前でスカートと露出は禁止だから」
「…えーーー…」
不満げな声を出す私を容赦なく睨んだ三浦さんに「かしこまりました」と素直に従うしかなかった。
別に露出系の服を普段から着るわけじゃないんだけど、スカートを好んで着てる私からすると好きな服を制限されるのはきついわけで……。
でも、さっきの三浦さんの目が怖かったので、しばらくは三浦さんの言うとおりにすることにします…。
「いただきます!」
せっかく出来たてを作ってくれたから、温かいうちに召し上がることにした。
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