第29話

恐る恐るラインを開いて中身を確認する。




書かれていた内容は、治ったはずの傷のかさぶたを思いっきりひきはがす威力があった。


 傷口が痛みだす。


「真穂。お前さえよければまた付き合っていいよ。もちろん本命はさやかだから、ばれないように頼む」


 琢磨さんにとって、私はなんだったんだろう。


 浮気がばれた時も、同棲を解消する時も、連絡をしてきた今も、琢磨さんから突き離される言葉しかもらってない。


 好きだったのに、この人を好きだったことを後悔しそう。


「ねえ琢磨さん…一言でいいから、ごめんが聞きたいよ…」


 そしたら、元に戻れなくても許すことが出来るから。


 好きだったこと、後悔したくないよ…。

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