第20話
一人で過ごす夜が寂しくなるときは今まで通りRedMoonに飲みに行くんだけど、前は気にならなかった三浦さんのお客様が目に止まるようになった。
三浦さんは男のお客様も多いんだけど、比率にすると4:6ぐらいで女性が多い。
しかも、目に留まるようになって気付いたんだけど、胸元強調したお姉さんとか、グラス受け取るときにさりげなく触れるお姉さんがいる!
三浦さんはいつもと変わらない様子だけど、夜の様子から胸は大きい方が好きそう。
なんか、それ見るのも嫌だし見ないようにしてもイライラするし、今までみたいにRedMoonに行けないのも嫌だしって葛藤と戦っている。
最近、ゆっくり話せていないし今日は金曜日だったから、繭ちゃん誘って一緒にいくことにした。
仕事を終えて急いでRedMoonに向かうと、地下に続く階段の前で待っている繭ちゃんに気付いた。
「繭ちゃーん!遅くなってごめんね!」
繭ちゃんの前までたどり着き、呼吸を整える。
「大丈夫?」
「はあっ…ちょっと苦しい…、ごめんね、寒かったよね」
「うんん、ちょうど今来たところで真穂がすぐ来たからびっくりした」
ふわっと笑う繭ちゃんがきれいで一瞬見惚れた。
一段ときれいになった繭ちゃんに影響を与えているのがオーナーだって最近気付くことができた。
オーナーとお店にいる繭ちゃんが今まで見たことないほど可愛いかった。
いい恋愛って女性をきれいにするんだと思う。
片思いだけど最高にかっこいい三浦さんに恋してる私もきれいになってる、はず!
「繭ちゃんと来るのも久しぶりだね!」
2週間ぶりに会えた繭ちゃんと話がはずみながら地下へ続く階段を下りて、RedMoonの扉を開く。
「会うのも2週間ぶりだもんね!私もお店に来てたんだけど、すれ違ってたみたいで…」
私と繭ちゃんの来店に気付いたバーテンダーさんが声をかけてくれて、今日はゆっくり話したいのでテーブル席に通してもらった。
でも、もう一つの理由があって、忙しい金曜日に色んなお客様の相手をする三浦さんを視界に入れたくなかった。
席について飲み物を頼んでほっと一息ついてるときに、繭ちゃんがうずうずしていた様子で「色々聞いてもいい?」って確認してきた。
「な、なんのことを…?」
「和希と一緒に住んでるんだよね」
「……オーナーに聞いたの_」
「うん」
笑顔で繭ちゃんが答えた瞬間、カウンターで接客しながらお酒を提供しているオーナーを睨んだ。
あまりに怖い顔をしていたみたいで、あのオーナーが一瞬動揺してお酒をこぼしそうになってた。
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