第7話
「きゃッ!なんで返事する前に開けるの!?」
「すぐ使いたいだろ?」
買ってきた袋を私に渡して、三浦さんも衣類を全部脱いで後ろの浴室に消えていった。
少しすると、シャワーを流す音が聞こえてきて、三浦さんも一緒に支度をするみたい。
渡された袋の中を確認すると、新品の下着とストッキングとメイク落としとスキンケア一式に下地が入っていた。
やっぱり慣れてる?
三浦さんの職業的に女の人と出会う機会だって多いし、女性物がないからって女の人がいないわけでもないと思う。
現に、同棲している彼女がいるのに連れ込んで浮気する男もいるわけだし。
私は先に服を来てからメイクを落としてスキンケアをその場でして、ある程度支度が落ち着いてからリビングに戻った。
私がリビングに戻るころに三浦さんもちょうど出てきたから、急いで逃げるように洗面所を後にした。
私のバッグはリビングの真ん中にあるローテーブルの上に置かれていて、バッグの中からメイクポーチを取り出しメイクにとりかかる。
洋服を着た三浦さんがリビングを抜けてキッチンに行き、料理を始める音が聞こえてきた。
「三浦さん、こんな時間に起きてることもあるの?」
「いつもは帰宅がこの時間かな。店に残って練習したり後輩の様子見たりしてると始発組と残ってることも多いし」
「そうなんだ…いつもお店が終わるのも2時とかで遅いもんね」
三浦さんとはお店以外で会うこともこうやって過ごすのも初めてでプライベートは全然知らなかった。
実は、私のいとこのお姉ちゃんと三浦さんが同級生で、私の二十歳の誕生日のお祝いにRedMoonに連れてきてくれたのをきっかけに三浦さんと出会った。
メイクも完成、髪の毛は簡単にひとつに束ねて終わりにして、キッチンで料理をする三浦さんを見に行くと、彩きれいなサラダにオムレツ、トーストのおしゃれ朝食がテーブルに並べられていた。
「さすが三浦さん!手際いいね!見た目もきれい!」
barに行くまで、バーテンダーさんのお仕事ってお酒を作ることがメインの仕事だと思ってたんだけど、地味に洗い物も多いし、RedMoonは軽食もメニューにあるから三浦さんも作ることが多い。
お酒もうまいし料理もうまいし話もうまいって、パーフェクトなバーテンダーさんって三浦さん以外いない気がする。
しかも、三浦さんは高身長のモデルスタイルに整ったイケメン顔。三浦さん目当ての女性のお客様も実際に多いし。
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