第13話

「大和ありがとう」


「早く仲直りしろよ??なんか、はる、俺に遠慮してるとこあんだろ??俺年下だけどさ、陽菜やコウ達と対等でいたいいんだよね。友達って言うより、仲間って感じだろ、俺連絡先交換してねえし」


「ごめん、、なんか聞くタイミング逃しちゃって」


「……仲直り出来なくてもさ、俺たちは俺たちのまんま、なんも変わんねえよ、これから先も、俺たちは仲間のまんま、じじばばになっても変わんねえから、…グループライン作るから、ちゃんと登録しろよ??あと、コウが騒がれる前に電話して捕まえろよ」


「わかった。大和ありがと。テスト期間終わったらバイトで会おうね」


「ん、じゃ、またな」


切った瞬間溢れてくる涙。

告白もしてない、私の気持ちにも気づいてない、それなのに、実質振られて、なのに、なんでこんなに幸せなんだろう。


女の子は、複雑な生き物だ。

好きな人の言葉だから、傷つくし、嬉しくて泣く。

それ以前に、大和は大切な仲間が前提だから。

同じ気持ちでいてくれるなら、それ以上の関係なんて望めない。

十分幸せなのだから。


泣いた顔のまま顔を上げると、もうすでに興奮してる女子大生たちの塊がちらほらと見える。


もう遅いかもしれない。

ここから見える、門に寄りかかって立っているあの影は、ササだろう。


ケータイの着信履歴の新しいところに何個も表示されてる佐々原航に発信した。




「……陽菜?」


なんか、久しぶりに感じるササの声が耳に届いた。


「大和から連絡きたよ。ササがこっちに来るから、騒がれる前に捕まえた方がいいよいって」


「どんな連絡だよ。今日モノクロの落ち着いた服装だろ?フード被ってるし」


「だめだよ。ササはスタイルいいしおしゃれなんだもん、顔隠し気味でも意味ないみたいだよ」


「は~あ、こんだけもてるのに、肝心のこいつは、大和がいいんだよな」



電話を耳に当てながら、屋上にいる私の方へ顔を上げた。

なんで私がここにいるってわかったんだろう。

ササの感はいつもすごいね。



「……ごめんね、ササ。大和の彼女のことわかってたのに、目をそむけてた私が悪い。いつか、逃げ切れなくて直面するときは絶対きたはずだから」


「7割は俺のやきもちだよ。3割は我慢が出来なかった。イライラしたし、あいつを見る陽菜を見てるのに耐えきれなくなった。卑怯なことした自覚ある」


「ササが自分のこと追いこんでること、ヤマから聞いた。ササの心境に自分を置き換えて、私もすごく辛くなった、だから、ごめん」


「……陽菜の心境に変化は??少しはあった??」

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