第52話
「待ってて。戻ってきたら、結婚しよう」
そう言い残して、尚人はアメリカ行きの飛行機に消えていった。
残された私はすぐにその場を離れることができなくて、尚人の姿が見えなくなって切れた緊張感から、人目を気にせず泣いた。
さっきまであった尚人の香りが消えていく。
さっきまで私を抱きしめてくれた尚人の熱が消えていく。
私の名前を呼んだ尚人の声を、実際に聞くのはずっと先の未来。
一緒にいるのが当たり前ですぐ近く相手を感じられる、自分に甘い恋はもう卒業した。
これからは、自分も相手も高め合う、お互いを大事にできる恋を大事にするんだ。
「いってらっしゃい……っ!!」
だから、尚人がいなくて寂しいってなくのは、今日で終わりにするんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます