第50話
今まで一緒に寝ていて男女の関係が一切なかった寝室は、今日は入った瞬間いつもと違う空気を感じて、私の腕を掴んで前を歩く部長の緊張感も伝わってきた。
ついに、一線をこえてしまう。
もう、上司と部下の関係に甘えることもできないし、私も部長も覚悟を決めてこの恋を大事にするんだ。
ベッドの前まで来た部長は私の腕を離して、私と向き合った。
薄暗い部屋の中で見える部長の顔は、今まで見たことない男の顔をしていて、こんな部長を見たことあるのが奥様含めて何人もいることに嫉妬した。
少しずつ近づく部長の気配に、今度は私も目を閉じて嬉しい感触を待ち望んだ。
触れる唇から部長の熱を感じて、少し触れて離れた気配に目を開くと、すぐに次のキスが降ってきて、そのまま部長にベッドに投げられる勢いで押し倒され、激しく求めるキスに必死に応えた。
慣れた手つきで下着のホックを外して胸に触れる部長に恥ずかしさから「部長好みの胸じゃなくてすみません…」と言ってしまった。
部長は気にする様子なく主張する頂点を口に含むと、意地の悪い顔で私を見つめた。
私はその視線にも強い刺激にも耐えられたくて、口を抑えて必死に出そうになる声を閉じ込めた。
「全然、大きいのだって好きだし、男っておっぱい好物だろ?」
「なんか…ッ、部長がいうとやらしさが増して嫌…」
知らない部長の一面が多すぎて、翔真とのことがなければ、仕事でしか見ることなかった部長しか知らなかったと思う。
私は男性経験が3人ぐらいしかないから自信がないけど、部長はセックスがうまいと思う。
本当に気持ちいし、部長の動きから慣れてる感じが伝わってくるし、私は余裕なく声を抑えるのに必死なのに、部長は楽しむ余裕があるのが悔しい。
「胸だけですっげー濡れてるんだけど、これも田中の影響?」
「部長!こんなことしてる時にそんな話題…あぁッ」
「考えないようにしたってちらつくんだよ。身近に知ってる元カレがいるって精神衛生上最悪だな。俺、嫉妬深いって言ったじゃん。そういうとこ、大人の余裕なんて持ち合わせてねえから」
そういって、さらに蜜口を濡らすために足を開いて顔を埋めた。
もう何度も何度も与えられる快感に頭がちかちかして限界だって叫びそうになるのに、部長は快楽から逃げることを許してくれない。
「部長…っ、もう、無理です…んッ、おかしく、なっちゃう…!!」
「部長じゃなくて、尚人、な。日菜子、言える?」
「ん、んッ…なお、と…!!」
次の瞬間、翔真よりも大きくて固い尚人に突きぬかれて、私は一瞬で意識が飛んだ。
尚人は私が落ち着くまで待ってくれなくて、その後も何度も何度も味わう絶頂に、もう、尚人以外に愛されるなんて無理だって実感するほど愛された。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます