第20話

夕方まで晴天だった空はいつのまにか大粒の雨を降らしていて、会社のすぐ前で翔真が止めたタクシーに乱暴に押し込まれ自宅の前まで走らされる景色を眺めた。


 掴まれた腕にもう感覚は残っていない。

 

 私が翔真を傷つけていたんだ。

 こんなことになるまで、私は翔真が傷ついていることに気づかなかった。

 私は自分の犯した後悔を噛みしめて、流れる景色が止まるのを待った。

 

 傘なんて持っていない私と翔真は大粒の雨に打たれてマンションの前につき、乱暴に鍵を開けた翔真に放り投げられるように家に入れられると、無表情で怒りを露わにする翔真が私の足に手をかけて、履いたままできてしまった新商品のパンプスを脱がすと勢いよく投げ捨てた。

 目の前で乱暴に扱われるパンプスを見て、私の心は悲鳴をあげた。


 それまで抵抗をしなかった私が泣きだして覆いかぶさる翔真に抵抗を始めたことで翔真の怒りは頂点に達し、翔真を押しのけようとする両手をネクタイで縛りあげ、まだ濡れていない蜜口に大きく反応した翔真を押し当て突き刺した。


「い、いやああああ!!いやああ!!やだ!!やだ!!翔真…っ!!」


 翔真の腕に広げられた足を閉じることが出来ず、痛みで叫びながら翔真に抵抗するけど、翔真は動きを止めずに奥へ奥へ突き刺した。


 痛い、痛い、痛い、体も心も引き裂かれて、痛くて痛くて…


 助けて…助けて…助けて…、部長…


 無意識に心の中で助けを呼んでいたのは速見部長だった。

 痛みと涙で揺さぶられる視界の中で、今まで見てきた部長の色んな顔が浮かんでは消えていった。


 わたしの意思とは関係なしに中に出した翔真にこれで終わり…と安心したのも束の間、私のブラウスを乱暴に引き裂き下着をはぎ取った翔真は行為を続けた。


 終わらない、…終わらない…翔真の怒りが収まるまで…


 痛みで濡れなかった私の中も翔真の愛液が滑りを良くし動きをスムーズにさせて、それが余計に悲しくて虚しさを倍増させた。


 今まで翔真が生で行為をしたことも、私の気持ちを考えずに乱暴したこともない。

 幼稚園から一緒だった翔真、恋人になってからだって、一度だって私を傷つけるようなことをしたことなかった。

 そんな優しい翔真を壊した私は、代償を払わないといけないんだ。

 

 廊下の床で激しく動かれ背中も腰も悲鳴をあげるように痛むのに、出てくるのは涙だけで声が死んだように出てきてくれない。


 翔真の動きでもうすぐ絶頂に達することが分かるぐらい私の体は翔真を覚えているのに、信じられないぐらい体が拒絶をして濡れてくれない。


 翔真から聞こえてくる泣いてる声と息遣いだけが耳に響いた










部長が履かせてくれたパンプスが、


私にはシンデレラの靴に見えたよ

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