第42話

ひなたは気づいていない。


じぶんの本当の気持にも、

俺がそれに気づいて黙っていることも。


だって、ひなたを失うなんて嫌だから。


いつか手放さなきゃいけないときまで

傍にいてほしいから。


俺に突っかかってくる

生意気なひなたも、


ちょっとでも俺の力になりたいと

仕事を頑張るひなたも、


お腹が空くと無言になるひなたも、


泣き虫のくせに

俺の弱さを受け止めようとするとこも、


いつも知らずに俺の心を救うところも、


全部、愛しいよ。


なんでこんな可愛いんだろうな。


鈍感で純粋でちょっとおバカなひなたを、

手放すときまで、

この子の傷が少しでも小さく、

笑顔を守りきれますように。

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