第37話

もう無理だと思ってた。



悠真に最初に告白したのは12月。


悠真は知らないけど、初彼の誕生日を過ぎた辺りだった。



初彼と別れたあとすぐ、悠真と出会って。


最初はほんと弟みたいな存在で。


心配ばっかかけるのにわたしのいつも辛いときに現れて。



救ってくれて。


大事にしてくれて。


愛しそうに扱うから、勘違いしたんだ。



悠真にそんなつもりはなかった。


バッサリ、恋愛対象として見れない。


ほんとに、はっきりはっきり言われてわたしは振られた。


本当はこのまま離れようと思ったけど、悠真を独りに出来なかった。


あの頃のまま、わたしが告白する前のまま入れたらよかったのかな。


何度もそう思った。



だって、油断するとすぐに感情が追い詰めてくる。


初彼と、初彼と一緒になった幼馴染みの仲良さげな会話。


憎しみ。


嫉妬。


感情。


ずっと、わたしのことを理解してくれるのは彼だけだと思ってた。


初めてわたしのことを分かってくれる人を見つけたと思っていた。


まさか、わたしの幼馴染みと浮気してるなんて思わなかった。


悠真に振られたあとも、彼と幼馴染みとの関係は繋がったままで、わたしに見せつけるように二人は仲のよさをアピールした。


わたしをいつも救ってくれたのは悠真だった。


悠真がいたから、心の拠り所ができて乗り越えようと思った。


悠真は本当に素敵でかっこよくて、振られたあとも気持ちが消えずにどんどん好きになった。


付き合おうっていってくれないのに、悠真は焼きもちばっか妬いて。


わたしの気持ちには答えてくれなくて。


耐えきれず、悠真の腕を振り払って逃げた。


そのあと悠真がどれだけ悩んで迷って考えたか、悠真の親友があとから教えてくれた。


わたしと悠真の恋は、親友の助けがあったから叶ったといっても過言じゃない。


何度もすれ違って、言葉も気持ちも交わらずに消えていった。


やっと、悠真と気持ちが繋がった。


やっと、やっと、、悠真の彼女になれた。


『これ以上悠真のこと好きになったら、死んじゃう…』


『…なんで?』


『悠真がいなくなったら、息が出来なくなって死んじゃうよ』


『…離さねえよ』


何度も何度も、見えないところに悠真の印がついた。


離れない、


離さない、


これから先も、


もう一人じゃないーーーー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る