第38話
悠真が帰った部屋。
初めて気持ちが通じた夜に何度も聴いた赤い糸が流れる。
今日でほんとに終わり。
終わってしまった。
もう二度と戻らない、戻せない。
苦しくて辛くて悲しくて。
幸せで楽しくて嬉しい時間とさよならするんだ。
わたしのすべては悠真に作られたよ。
初めては全部悠真だった。
全部全部、悠真だった。
わたしに本当の恋を、初めての愛を教えてくれてありがとう。
どうか、
どうか、
幸せになってください。
『ひなた、俺が高校卒業したら同棲するか』
『……同棲!?』
『だって将来結婚するだろ?』
『本気ですか…!これからいくらだって出会いがあるのに、悠真決めちゃっていいの!?』
『だってひなたが他のやつにとられるのやだし、ひなたは平気なの?俺が他のやつと付き合っても』
『…いやだ、浮気だめ、絶対』
『わかってるよ、ひなたの場合元カレのトラウマもあるかんな。遅かれ早かれ、俺にはひなたしかいねえもん』
そうやって、優しく笑う悠真の笑顔がとても大好きだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます