第38話

悠真が帰った部屋。


初めて気持ちが通じた夜に何度も聴いた赤い糸が流れる。



今日でほんとに終わり。


終わってしまった。


もう二度と戻らない、戻せない。


苦しくて辛くて悲しくて。


幸せで楽しくて嬉しい時間とさよならするんだ。



わたしのすべては悠真に作られたよ。


初めては全部悠真だった。


全部全部、悠真だった。


わたしに本当の恋を、初めての愛を教えてくれてありがとう。


どうか、


どうか、


幸せになってください。













『ひなた、俺が高校卒業したら同棲するか』



『……同棲!?』


『だって将来結婚するだろ?』



『本気ですか…!これからいくらだって出会いがあるのに、悠真決めちゃっていいの!?』


『だってひなたが他のやつにとられるのやだし、ひなたは平気なの?俺が他のやつと付き合っても』



『…いやだ、浮気だめ、絶対』



『わかってるよ、ひなたの場合元カレのトラウマもあるかんな。遅かれ早かれ、俺にはひなたしかいねえもん』



そうやって、優しく笑う悠真の笑顔がとても大好きだった。

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