第49話
「坊主は…、別れるための、けじめ…?」
「…うん、元カノからの、希望で…」
優香さんは、あのとき会っただけだけど、困らせたくて言っただけ、最後の意地悪を言っただけ、な、気がする。
本当に、じぶんのために坊主にするなんて思わなくて、望月くんの頭を見て、びっくりしただろうな…。
そんな光景が、目に浮かぶ。
最後まで、彼女のことを大切に想い、気持ちに寄り添い、けじめをみせてくれた望月くんは、最高の彼氏だったと思う。
望月くんを、好きになってごめんなさい。
彼女がいるってわかっても、好きなまま、チャンスを狙ってて、ごめんなさい。
わたしはじぶんが、最低な女だって、わたしこそが聖人の仮面を被ったやつだって、自覚しているから。
わかってるから、優香さんの犠牲の上で成り立つ恋だって、ちゃんと、ちゃんと、忘れないから…。
「望月くんが、好きです。付き合ってください」
わたしが、優香さんの後悔の分まで、大事にします。
幸せに、します。
犠牲にしての恋だから、大切に、大事に、切れないように、繋いでいきます。
「一緒に、幸せになろう」
ゆっくり重なる唇は、涙の味がした。
END
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