第15話
今日の分の授業を終えて、友達とスタバで話していると、グループLINEに通知がいくつか入る。
「なになに?バイト先の人?」
「うん、みんなでグループLINE作ったんだ」
「へー!すごい仲良しだね!しかも、里帆のバイト先、イケメン揃いだよね」
「確かに!私、望月くんタイプかもー!」
バイトが休みの日に、友達と一緒にショッピングついでに寄ったことがある。
勤務中だった望月くんがすぐに気づいて来てくれて、私の友達にも挨拶してくれた。
「あれはモテるね!彼女いること間違いなし」
「うん、彼女いたよ」
グループLINEを確認しながら返事をすると、興奮していた友達の様子が鎮まる。
「…大丈夫?里帆、望月くんのこと、好きだった?」
「え?」
驚いて画面から顔を上がる。
わたしの顔を見た友達が、納得したような顔をしてから、私の頭を撫でた。
「ゆっくり返事しな。私たちは課題先に進めるね」
友達から許可を得たので、私は落ち着いて返事を書くことにした。
グループLINEには菜子さん、久保田さんが追加され、計5人のグループLINEになっている。
内容を確認すると、ボーリングの日程についての提案がされていた。
社交辞令じゃなくて、本気で行くのかー…とびっくりする気持ちと、男性陣のフットワークと決断力の高さに圧倒される気持ち。
いくつか提案されていて、私と望月くん、菜子さんのシフトが被る明後日の夜に、そのまま行くのはどうかって話で…。
次の日、早番のはせくんと久保田さんがノリノリだから、心配しなくていいのかな?
(私も大丈夫です!)と送信。
気まずい気まずいって思ってても、こうやって色んなところに遊びに行ったり、普通に友達として接してたら、気にならなくなる、のかな。
まだ自分の気持ちの居場所がわからない。
好きって気持ちが苦しくなるときも、彼女がいるから諦めないと思う気持ちも、交互にやってくる。
頭では理解していて、望月くんには彼女がいて、わたしが思いを寄せることは不毛なことで、傷つく資格すらないってわかっているけど。
望月くんの気配を感じれば嬉しくなるし、シフトが被っていたら嬉しくなるし、会ったらもっと、好きになるってわかってる。
頭と心で感じることが別々だから、気持ちがややこしくなるのかな。
私の心の葛藤を吹き飛ばすように、ボーリングの日程は提案通りの日付であっさり決まった。
(帰り遅くなるけど、その日もはせが送ってくれるって)
久保田さんから送られてきたメッセージ。
その後、すぐに、望月くんのLINEがリプライで入る。
(どういうこと?)
そのメッセージが飛び込んですぐ、わたしはスマホをすぐに閉じてカバンにしまった。
「里帆?どうした?大丈夫?」
「うん、大丈夫。連絡終わったから、私も課題やるね」
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