第7話

ぽんーー…と、LINEに通知が届いた。


確認すると、はせくんがグループLINEにスタンプを入れてくれていた。


ついでと言った感じで、私の個人LINEにも同じスタンプを送ってくれている。


「はせから個人LINEの追加もあった?」


「うん、同じスタンプ送られてきたよ」


「…はせって、三上さんのこと、狙ってるのかな」


望月くんが唐突にそんなことをいうからびっくりした。


「え?え!?そんなことないと思うよ!?」


「三上さんへのちょっかいの出し方が異常というか、なんというか…」


「みんなにあんな感じで接してると思うよ?女慣れしてそうだし」


「うん、うん…、そう思われても仕方ない言動をしているかもしれないけど、さすがにフォローするね。女慣れしているかもだけど、みんなに三上さんと同じ距離感では接してないよ、それはヤバい」


「確かに。勘違いしちゃう子がわんさかできちゃうよね!」


「三上さんも、”勘違い”するの?どんな風に?」


「え、それは…、好かれているのかな?とか、その…」


「俺は"勘違い"だと…思わないから、注意してね。泣かされないように」


「う、うん。大丈夫。はせくんのことは好きだけど、異性として好きになることはないと思うから」


「それって好きな人がすでにいるってこと?」


時々、望月くんの頭の回転の良さにびっくりする。


確信を突いてきた見事な質問に、すぐに返事が出来なかった。


「……ごめん、今は俺が踏み込み過ぎたね」


望月くんがわたしが返事に迷っている様子を察して、会話を閉じようとしてくれていた。


ここでチャンスを逃したら、聞くことができないかもしれない。


わたしも聞きたかった。


はせくんに彼女がいるかどうかの話が出たときに、「望月くんは?」の言葉が頭に浮かんでた。


知るのが怖くて、聞くことが出来なかったけど、このチャンスを逃したくない。


「好きな人、います。…望月くんは、好きな人、いる?」


ドキドキしながら、望月くんの返答を待った。


望月くんの真剣な目と視線が絡み合う。


「…いるよ、好きな人。好きな人っていうか、彼女」


ーーー…ずるいよ。


答えを聞く前に絡めてしまった視線は、答えを聞いた後もそらすことを許してくれなかった。


動揺したら、わたしの気持ちがバレてしまう。


隠していたい、知られたくない。


だから、視線をそらさず、応えるしかない。



「そうなんだ。望月くんは、彼女いたんだね」


(知りたくなかった。でも、知らないままでいることも、出来なかった。)


わたしを勘違いさせたのは、はせくんじゃなくて、望月くんだよ。


恋に堕ちてから、彼女がいることを知りました。

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