第26話

望月くんを、責める資格なんてない。


 人のこと、言えないって思った。


 望月くんに、彼女がいるって知って…。


 望月くんと、彼女さんが、キスしている場面を見て…。


 正直、傷ついたけど、そんな簡単に、好きって気持ちが、消えるなんて思ってなかったのに。


 望月くんが、好きって言ってくれても、嬉しいと思えなかった。


 頭に何度も浮かぶ、はせくんの存在があって…。


 彼女がいるのに、わたしのことを好きだと言ってくれる望月くんと、望月くんを好きだと言いながら、他の人を思い浮かべるわたしと、何が違うの?


 じぶんの気持ちが、見えなくなっていた。


 もう少し、冷静になったら、今の気持ちが見えてくるかな。


 恋はそんな簡単に、答えが出るものじゃない。

 

 だから、こんなに大変なんだよね。

 


 わたしの先を歩く、大きな背中を見て、感じるこの気持ちの答えも。



 …時間をかけたら、はっきり、わかるかな。

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