第4話
「どうする?する?しない?」
「…ゴム、あります?」
「…多分、あるかな?」
「持ち歩いてるんですか⁉」
「ひっかかるのそこ!?ないよりあった方がいいじゃん」
私の答えが分かった感じで、先輩が椅子から立ち上がり、私の方に歩んできた。
獲物を捕らえた男の目をした先輩が、意地わるそうな笑みを浮かべて顔を近づける。
近づく目線、先輩の手を掴んで、訪れるタバコ味のキスを受け入れた。
休憩室に充満する、わたしと先輩の甘い匂い。
先輩に確認したら、ここには監視カメラはないとのことだった。
「なんでわざわざここにしたの?」
休憩室のテーブルに座らせた私の太ももの間から、先輩が色欲を含んだ目で私を見る。
私の顏はもう、だらしない表情だと思う。
悟先輩がくれる快楽が良すぎて、思考もちゃんと働かない、素直に反応を示すしかできない状態で、そんな質問をされても、ちゃんとした答えなんて出てこない。
「我慢、できなかったから…」
「そうだね、ここも我慢できなそうだよ」
密を垂らす入り口に舌を這わせて、指の数をもう1本増やしてきた。
「っ…!!!」
両手で口を押えてのけ反る私に、悟先輩は容赦なく刺激を与えてくる。
彼氏とするセックスとは全然違った。
先輩がうますぎるのか、先輩のことが本気で好きだからか。
余裕がない私を愛おしそうに見る先輩が、気持ちいいところを容赦なく責め立てる先輩の意地悪な体が、本当に、本当に、憎い。
十分に慣らされた入り口に、「これなら大丈夫だよね」と先輩があてがったそれは、蜜が溢れるほど準備が整ったそこでも「っ!!」と腰が引けるぐらい、存在感があった。
「先輩…っ、無理かも…」
言い終わる前に、上の口と下の口を悟る先輩で塞がれる。
私の中で遠慮なく暴れ回る悟先輩は全然わんこ系じゃない。
意地悪だし、いってるのにやめてくれないし、必死で声を抑えているのに、鳴かせようとしてくるし、時折、優しく愛おしそうに抱きしめるの。
それが一番、意地悪で残酷だよ。
ただ、性欲に負けてしてみたかった、結婚前の最後の遊び、そういって抱いてほしかった。
たった一回、最初で最後なのに、忘れられないぐらい、こんな大事に抱かないで…。
私は先輩の体に痕を残すことを許されなかったのに、先輩は首から下の普通の露出なら見えない箇所に、たくさんの痕を残した。
胸を愛撫しながら、キスマークをつけ、後ろから突きながら、背中に残し。
匂いだけじゃない、私の体にも、先輩の欲と気持ちを刻み込んでいた。
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