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顔が熱くなるのを感じながら、お弁当のふたを開ける。



……あれれ?!



中を見てビックリしてしまった。



卵焼きが多く入っているのは何でだろう……?




「それがハニーの卵焼き?朝から楽しみにしてたんだよね!」



「えっ?」




朝から楽しみに……?



もしかして、昨日の事があったから手越君のために卵焼きを頑張って作ってみたっていう設定?!



やるじゃん、私!



リアルじゃ料理、全然やらないキャラなんだけど。




「それじゃ、さっそくいただきます!」




また礼儀正しく手を合わせてペコッと頭を下げると、手越君は私のお弁当箱から卵焼きを箸で取って口に運んだ。



もぐもぐと口を動かす彼をジーッと見つめて、ドキドキしながら感想を待つ。




「……つぼみちゃん、コレ、ウマいよ!ママンの味にそっくりで!」




美味しいのは嬉しいけど、ママンの味にそっくりなのね……?!



彼の感想に喜んでいいのか悪いのか全くわからない。



でも、ここは素直に喜んじゃっていいのかな?




「あ、そ、そう?嬉しいな……」



「コレ、ママンにも食べてもらいたいなー。すごいよ、ハニー」




後半のコメントは受け取るけど、ママンには献上できない。



だって、息子がこんなに母親大好きなんだから、母親だって息子が大好きに決まっている。



そんな中、息子君が大好きなママンの卵焼きに似た味の卵焼きを、息子君と同級生の女の子が作ったと知ったら……怒り狂いそう。



その卵焼き、握りつぶすくらいの事をするかもしれないし。

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