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私のお弁当の中身は、至って普通だった。



から揚げに、うずらのたまごとソーセージ。



ミニトマトにブロッコリー。



ご飯はそぼろごはんになっていた。



良かった……。



普通の女子高生が食べるような中身になってて。



シンプルなのが好きっていう設定で、白飯に梅干し一個とかだったらどうしようってちょっと焦っちゃった。



手越君のお弁当が豪華だから。




「……卵焼きたくさん入ってるんだね?」



「ん?ああ、卵焼き好きなんだよ」




他のおかずに比べて、卵焼きの数がハンパなく多い。



ニコニコしながら食べる手越君はチャラ男のイメージがどこかへ行ってしまったかのよう。



箸を使って食べる姿が、とても綺麗で色気もあってドキドキしてしまう。



何でこんなに色気出して食べるんだろう?



男の子って、がっついて食べるものだとばかり思っていたし。



手越君って、意外に育ちのいいおぼっちゃま?




「ハニー、そんなに見つめないで?さすがにその宝石のような美しい瞳で見つめられたら、理性飛んじゃうよ?」



「……えっ?!あ、ごめん!」




理性が飛んじゃうって……っ!



それは困るし!



顔が赤くなるのを感じて、私はうつむいてしまう。



さすがにここでそういう展開になるとは思ってないけどっ!



じ、自慢じゃないけど、私は17年間彼氏いた事がないんだから、経験ないし!



もちろん、キスすら……。




「冗談だよ、ハニー。あ、卵焼き食べてみる?」




私の反応を見てクスクスと笑いながら、手越君は卵焼きを勧めて来た。

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