13

秋だし、よく晴れた青空の下で食べるお弁当はいつもより美味しく感じるかも。



手越君と一緒に屋上に出ると、そこでお弁当を食べている人が数人いた。



……まさかとは思うけど、また昨日のカフェみたいに女の子数人に声をかけたんじゃないでしょうね?



昨日の事を思い出して、不安がよぎる。




「つぼみちゃん、こっちこっち」




そんな私の不安を感じ取っているのかいないのか……。



手越君が先に陣取って座ると、私の名を呼びながら手招きした。



そこには女の子の姿は全くない。



考えすぎだったかな……。



ホッとしながら、私は手越君の元へと歩み寄る。



彼の向かい側に腰を下ろすと、




「ハニー、それはないんじゃない?オレの隣、空いてるよ?」



「え?あ、うん……」




隣をポンポンとたたいたので、私はゆっくりと移動する。



ここはリアルじゃないんだし、変に遠慮する事はなかったんだ。



ドキドキしながら、手越君の隣に腰を下ろした私。



彼は持っていた弁当箱を開けた。



チラッと覗いて、驚いてしまう。



予想以上に色とりどりで、ステキなお弁当。




「いただきます」




弁当箱に手をあわせて礼儀正しく言った手越君。



ただのチャラ男だと思っていたのに、意外なところで礼儀正しいのね。



……そういえば、お昼のイベントは初めてだ。



私のお弁当はどうなってるんだろう?




「ハニーのお弁当は少ないけど、まさかダイエットじゃないよね?あまりやせ過ぎても魅力落ちるよ?」



「そういうわけじゃないけど……」




確かに、手越君のお弁当と比べたら小さいけどさ。

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