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「おっ!かーわーいーいー!ハニーのその笑顔で、今日も一日、乗り切っちゃうよ!」
「あ、あははは……」
苦笑いだよ、これは……。
顔が引きつってきそうで怖い。
しかも、笑顔が可愛いとか言われたのも初めて。
まあ、手越君の事だから、誰にでも言っているんだろうけど。
「あ、おはようー!美奈ちゃん、今日も笑顔がステキだね!」
ほら、思ったそばから……。
「はいはい。今日もありがとう。いい加減、ひとりの女の子にしぼりなよー?」
「何言ってんの。星の数ほどの女の子がいるのに、この中からひとりしか選べないというのは、みんなに失礼じゃないか」
美奈と手越君の会話が聞こえてくる。
……ひとりすら選ばないでみんなに同じ態度をとっている方が、失礼だと思うんだけど!
手越君の思考回路はいったい、どうなってるんだろう?
「おっはよー、つぼみ!」
彼から離れて、美奈が大きく手を振りながらこちらにやってくる。
まだワープしないという事は、イベントが続くっていう事なのかな?
「美奈、おはよう……」
「ねえねえ聞いた?学園祭で、ベストカップルコンテストがあるんだって!優勝したら遊園地のぺチケットもらえるんだってよ!」
「へ、へえ……」
カップルナンバーワンコンテスト……かあ。
もしかして、私はこれを目指さなきゃいけないのかな?
手越君とベストカップルになる事を?
……かなり難易度高そうだけど。
「ベストカップルに選ばれたカップルは、幸せになれるってジンクスあるしね!」
幸せになれるなら、なりたいよ!
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