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これでも不具合じゃないって言い切られたけどさ。




「おはよう、ハニー!」



「……お、おはよ」




校門で突っ立っていたら、後ろからポンと肩をたたかれた。



金髪外ハネの手越君が現れる。




「昨日は何で帰っちゃったのー?せっかく新しいカフェで、つぼみちゃんと幸せなひとときを過ごせると思ったのに」



「え、でも、他に女の子いたし……」



「そんなの当たり前じゃん?だって、女の子が多ければ多いほど華やかだろ?オレは華やかなのが好きだしね」



「じゃあ、私じゃなくても……」



「それはNOだよ。オレはつぼみちゃんとあのカフェで愛を語りたかったのに」




さっむ……。



私、冬を選択したわけじゃないよね?



思いっ切り身震いしちゃったんだけど。



華やかなのが好きなのはわかった。



でも、女の子がたくさんいるのに、私と愛を語りたかったっていうのはおかしいでしょ。



まして、私がバカにされているのに一緒になってヘラヘラしていた男なんかとさ!




「あの、肩から手を離してくれないかな……?」



「えー?つれないなぁ、ハニーは。スキンシップなのにー」




いやいや、スキンシップって。



相手が嫌がってたらただのセクハラじゃない?



思いっ切りしかめっつらをしてみたけれど、昨日プロフィール欄に書いてあった事を思い出した。



好きなもの、女の子の笑顔……。



しかめっつらをしていたら、幸せも何も寄ってこない気がしたので、私はニコッと笑ってみせた。



誰かにこんな風に媚びるように笑ってみせたのは初めてだ。

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