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この様子だと、手越君はゲームのまんまの設定っぽいし、前の2人よりは気楽に攻略できそうかな。
なんせゲームでちゃんとハッピーエンドになってるしね。
良かった。
何かまた強烈な設定が組み込まれているんじゃないかって、構えていたけれどどうやら取り越し苦労だったみたい。
今度こそ純粋にこの世界を楽しめそうかな……?
手越君が自分の席に着いたので、私も自分の席に行く。
「……あれ」
攻略キャラが3人目に入っているというのに、相変わらず私の前の席は誰も座っていない。
何だろう?
ハッピーエンドをちゃんと迎える事ができれば、シークレットキャラである4人目が存在したのかもしれない。
それなら、何が何でも手越君をハッピーエンドで終わらせて、馬渕君と九条君の2人を攻略しなおすしかない。
あんまり気が進まないけどさ……。
頬杖ついてため息をついた時、また目の前の風景が変わった。
ワープした時間は、どうやら放課後。
登校してイベントがすぐ起きて、放課後まで何も起きずにワープをしたようだ。
貴重な1日がなんか無駄になっているような気がする。
せっかく手越君と席が前後なんだし、ちょっとした事でもいいから何かイベント起きたらいいのに……。
「それじゃ、ハニー。カフェに行こうか」
「う、うん……」
左耳にキラッとピアスが光る手越君。
見た目がこんなに派手な男の子とカフェに行くなんて、リアルでは絶対にありえない事だ。
「ハニーはコーヒー系大丈夫なの?」
「あー、カフェラテとかなら……」
「やっぱり女の子は甘いモノが好きなんだね。可愛いじゃん」
手越君の言葉に、ドキッとしてしまう。
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