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「あ、あの……!私、九条君の事が好きです!彼女にしてくだ……」



「あ、それはムリ」




ガバッと勢いよく頭を下げながら言ったのに、言い終わらないうちに即返事。



ムリ?!



ムリって何で……?



ハッピーエンドになるんじゃないかって、期待で膨らんでいた胸がプシューッとしぼんでいく。



何で何で何で?!



フワッと優しく微笑んでくれたから、ハッピーエンドのフラグが立ったと思ったのに!




「九条君……」



「だって、滝沢さんは僕より輝いてないから。僕と一緒にいたいなら、頑張って輝かないと」



「や、頑張るし!命かけて頑張るから……!」



「残念だけど、今の滝沢さんはムリだよ。だって、自分を大事にしない人が輝くようにどう頑張るの?」



「う……」




九条君の言葉が私の胸に深く突き刺さる。



自分を大事にしない人が輝くようにどう頑張るの……。



すごい痛いところを突かれた。



九条君を見上げると、彼はもらったばかりの鏡をライトアップさせて自分の顔をチェックしていた。




「うん。夜でも輝いて見える鏡なんて最高だよ。ありがとう、滝沢さん」



「うう……」




何も言えないまま、馬渕君の時と同じように目の前がサーッと幕が下りるかのように真っ暗になっていく。



またしてもバッドエンドかよぉぉぉぉぉ!



私、攻略サイト見ないでいくつもハッピーエンドを迎えて来たのに!



つか、攻略キャラの条件悪すぎでしょ。




『お疲れ様でした。残念ながら、九条涼介とはバッドエンドという結果になりました』




再び、ゲームを選択した場所へと戻って来た。

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