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「え、僕に?」



「……うん」




でも、中身は何なのか知らない。



まあ進行上、九条君に全く関係ない物が入っているって事はないと思うけど。



九条君は不思議そうな表情を浮かべながら、丁寧に包みを開けていく。



私も食い入るようにそれを見てしまう。




「……鏡?」




箱を開けると中から鏡が出て来た。



何というチョイスをしているの、私!



鏡なんて、今さら九条君にあげたって仕方ないじゃないーっ!



……って思ったけど。




「……これ、女優ミラーだ」



「女優ミラー?」




ライトがついている鏡の事だ。



私のつぶやきに、九条君が聞き返して来た。




「ほら、女優さんの楽屋の鏡って周りにライトがついてるじゃん?これも鏡の周りにライトついてるから、女優ミラー……」




そう教えてあげたけれど、今さら何で九条君にこれを……?



もっともっと輝けとでも言いたいのかって怒られそうだけど。



けど、女優ミラーの存在を九条君は知らなかったみたい。



知っていたら、わざわざ生徒会室の日の当たる場所に座って、日の光でキラキラ輝かせながら鏡なんか覗かないよね。




「ライトがつく鏡か……」



「もちろん、そんなものなくても、九条君は常に輝いて見えるよ?……誰よりもまぶしく」




ちょっとクサかったかなぁ……。



言ってから自分で照れる私。




「滝沢さん、ありがとう」




私の手をギュッとにぎって、九条君はフワッと優しく微笑んでくれた。



……初めて見る、あたたかくてやわらかい九条君の笑顔。



こ、これはもしかして、告白タイム……?!

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