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友達ボタンだけじゃなくて、向こうから接触してくる場合もあるのね?!
「あ、うん。どうかした?」
『つぼみにおススメのデートスポットを教えてあげようと思って』
デートスポット?!
え、こっちから聞かなくても親切に教えてくれるの?
「本当?!聞きたい聞きたい!教えてーっ!」
『九条君ってキラキラしたものが好きでしょ?今、クリスマス限定のイルミネーションがきらめきタワーから見えるから、誘ってみたら?』
「きらめきタワー?」
初めて出て来たワードに私は首をかしげてしまう。
『あ、きらめきタワーっていうのは、学校から見える展望台を兼ねたタワーの事だよー』
「なるほど……」
学校から見えるのかぁ。
じゃあ、学校帰りに九条君を誘っていく事は可能って事だね。
「美奈、教えてくれてありがとう」
『どういたしまして。九条君と頑張ってね!』
美奈はそう言うと、電話を切った。
きらめきタワーかー。
確かにそういうところに行けば、気持ちも動かせるかもしれないし。
九条君を誘ってみよう。
一緒に行ってくれるかなぁ。
ドキドキしながらスマホをカバンにしまうと、再びベッドにもぐりこんで、電気を消した。
明日はいい事がありますように……。
「……なさい!つぼみ、起きなさい!」
遠くで私を呼ぶ声がする。
もう朝かー。
眠い目をこすりながら、ゆっくりと起き上がる。
この朝を迎えるのはもう何度目かな。
お母さんの姿はまだ一度も見ていないけど。
今回も起きた場所は、イチゴ柄で統一された部屋の中。
何度寝ても覚めても、リアルに戻っていないのは何でだろう。
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