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なんて考えてたら、いつまでも馬渕君攻略から逃れられないかも。
それに、こんな光景を繰り返し見ていたら、砲丸投げに真剣に取り組んでいる人に失礼だしね。
砲丸投げでアツくなるなら、陸上部に入ってこれ一本でやりなよと言いたいところだよ、本当に。
「滝沢、顔色悪くないか?」
「え?そんな事ないよ、気のせいだよ気のせい!アハハ」
不意に馬渕君に聞かれて、私は慌てて首を横に振り、笑って答える。
馬渕君に対してマイナスな感情を持っていただなんて悟られたくないもんね。
バッドエンドになって、やり直しするのはめんどくさそうだし。
「いや、無理すんなよ」
「……え?」
顔をマジマジと見つめられて、私はポカーンとする。
太陽の光はガンガンと私に降り注ぐ。
馬渕君のおかしさばかり気になって、気が付かなかったけれど、私はかなり汗をかいていた。
彼に指摘されたとたん、姿勢を維持できなくて足元から崩れ落ちる。
……ウソ、何これ!
時間や場所が省略されていたために、自分の体調など管理できるわけがない。
コレってもしかして、脱水症状?
力が入らない私に馬渕君は、ペットボトルを私の口に押し付けた。
「具合悪いの気づかなくてゴメン」
コレ、さっき馬渕君が口を付けたスポーツドリンクだから、間接キスだよね?
そんな事を思いながら、流れ込んでくるスポーツドリンクを飲み込む。
「保健室行くから、ゆっくり休んで」
「……えっ」
ペットボトルにふたをすると、馬渕君は軽々と私を抱き上げた。
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