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やっぱりあれは夢だったんだ。
それにしてもすごい夢を見ちゃったなぁ。
あの馬渕君となぜか、砲丸投げをする夢。
何でそんな夢を見たんだか……。
「……あれっ?!」
目をこすってあくびをした後、イチゴ柄の家具が目に飛び込んできた。
「ゆ、夢じゃなかった……」
どうやら、夢ではなかったみたいで。
私はまた、イチゴ柄で統一された部屋の中にいた。
夢じゃなかった事が、物凄くガッカリなんだけど、コレってやっぱり馬渕君のキャラのせいかもしれない。
九条君なら絶対にガッカリする事はないと思うし!
こうなったら仕方がない。
私も馬渕君にとことん付き合って、熱くなるしかない!
……とは思っても、そう簡単にあそこまでテンション上げるのは難しい。
最初に馬渕君は間違っていたかー。
でも、大好きなキャラほど後の方が私はいいしなぁ。
九条君じゃなくて次は手越君のがいいかもしれない。
はぁっとため息をついて、ベッドから出たとたんに風景がガラッと変わる。
まだ顔すら洗っていないのに……って慌てたけれど、気が付けば制服はしっかり着ていたし、髪の毛もきちんと整っていた。
こんなラクな事を繰り返していたら、いくら夢の中とはいえ、女子力の低下につながりそうなんだけど……。
「おう、滝沢。朝練に付き合ってくれるのか!なかなかアツいじゃないか」
「へっ?!」
私がいた場所は、昨日の昼休みに馬渕君と砲丸投げをした場所。
すでに額から汗が流れている馬渕君は、私に気が付いてニッと白い歯を見せて笑った。
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